vol.4  20230519
ジャパンタイムズ出版のメールマガジン「THE NIHONGO TIMES」のご購読ありがとうございます。
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【1】『初級日本語げんきフランス語版』電子書籍で発売中!
【2】『げんき』アプリ好評発売中!
【3NIHONGO教室だより~台湾編~
【4】デジタル教材アンケート結果のご報告
【5】日本語教育学会 賛助団体出展のお知らせ

【1】『初級日本語げんきフランス語版』電子書籍で発売中!
『初級日本語げんき』フランス語版(電子書籍)がそろいました。 昨年11月に発売したテキスト1・ワークブック1に続き、4月からテキスト2・ワークブック2を販売中です。
フランス語版では、文法説明、会話訳・単語訳、練習の指示文など、『初級日本語げんき』のすべての英語部分がフランス語になっています。ジャパンタイムズ出版デジタルストアで提供しているほか、各国の電子書店でご購入いただけます。

【2】『げんき』アプリ好評発売中!
学習者向けの『初級日本語 げんき』準拠の公式アプリをご紹介します。「単語」「漢字」「活用練習」の3つのタイプをご用意。暗記学習と定着確認を繰り返しながら効率よく学べる仕組みになっています。自分のペースでじっくり学習できる工夫がつまっていますので、ぜひご覧ください。

アプリの紹介動画は こちらからご覧になれます。
対応OS    :iOS 13.4 以降(iPhone / iPad / iPod touch 対応)Android 9.0 以降

(げんき[第3版]単語アプリ)

『初級日本語げんき(第3版)』の会話・文法編で学習する単語約1,200語をネイティブの発音とともに学べる単語アプリです。

GENKI Kanji for 3rd Ed.
(げんき[第3版]漢字アプリ)

『初級日本語げんき(第3版)』の漢字317字と漢字語約1,100語を音声やイラスト、筆順アニメーションを使いながら学習できるアプリです。

GENKI Conjugation Cards
(げんき 活用練習アプリ)

初級レベルで学ぶ動詞と形容詞の活用を学習できるアプリです。
「口頭練習」と「入力確認」を繰り返すことで、初級で学習するほぼすべての活用形をマスター!

【3】NIHONGO教室だより~台湾編~
  日本、そして世界各地で日本語を教える先生にお話を伺って、最新事情をお届けします!今回は、 台湾の国立台中科技大学で日本語を教えている羅暁勤先生にお話を伺いました。
◆少子化による定員割れ
 去年、台湾の大学では少子化による深刻な定員割れがあり、外国語学部全体で学生充足率は52%でした。日本語学科はまだ定員を保つことができましたが、これは外国語教育が変わらなければならないサインだと感じています。

◆自分自身の中の変化
 私は以前から、外国語教育のあり方を模索し、実践を行ってきました。「どう教えるか」を模索して、アクティブラーニングやピアラーニングに出会い、次に、「何を教えるのか」を考える中で、問題解決能力、問題発見能力、協働能力などのコンピテンシーの養成に興味を持つようになりました。

 そして今、外国語教育、さらに言えば、教育で「何ができるか」に興味があります。これまでの学校教育は従来の時代背景に合わせて作られたものであり、科学技術が目覚ましく進んでいる今は、学校教育のシステムも考え直す時期だと思っています。

◆「未来から学ぶ日本語教育・外国語教育」の可能性
 2018~2019年にフェローシップで日本へ行った際に、「2030 SDGs Game」や「レゴ(R)シリアスプレイ(R)」というメソッドに出会い、日本語教育にこの考えを生かせるのではないかと考えました。それから3年、試行錯誤し、最近やっと一つの実践として形が見えてきたところです。

 2030 SDGs Gameとは、現実社会をシュミレーションし、自分と社会とのつながりを確認するゲームです。ゲーム後の振り返りで、新しい視点を得たり、社会とのつながりに気づきます。そして、社会を生きる自分自身を深く知ることができます。また、レゴ(R)シリアスプレイ(R)とは、レゴブロックを使った作品を通して、潜在意識を言語化していくメソッドです。
◆体験と振り返り、理論学習を組み合わせた授業デザイン
 これらのメソッドとの出会いから、授業で大事にしているのは、「自分とのつながり」と「自分への気づき」です。自分が、時代や社会とどうつながっているのかに気づくこと、また、自分の意識や価値観、理念に目を向け、これらが自分の社会でどう形作られてきたのかに気づくことに力を入れています。
  最近の授業実践は、次の通りです。まず、30分ほどの簡単なワークショップを体験し、その後振り返りを行います(ここまでは中国語で行いますが、できる人は日本語で)。そして、その体験を理論的に紹介する日本語の文章を読みます。このような体験を通した学習を何度か授業で行った後、2030 SDGs Gameを行い、ゲームを通して、自分と社会、世界とのつながりを意識化します。

 そして、なぜSDGsが必要なのかを考えたり、SDGsの事例に関する日本語の文章を一緒に読んだりします。事例の中で、自分は何をしてきたか/してこなかったかを振り返ります。さらに、これから自分が何ができるのか、何をしようとしているのかを考えます。自分と社会とのつながりを意識化し、自分がなぜこの言動をしているのか振り返ることで、世の中を変えることができると思います。
  授業に日本語そのものの学習も入れますが、それは最小限で、日本語で勉強するデザインになっています。中級以上の学習者を対象にしていますが、日本語教材のリライト次第では、初中級でも実施可能です。
◆学生と共に学ぶ
 授業では、自分では思いもよらないところに、学生と辿り着くことがあります。以前、即興演劇のワークショップで、「Yes, but」(提案に対して断る)、「Yes, and」(提案に対し、制限つきで新たな提案をする)を体験してもらいました。活動後の振り返りで、「Yes, and」に対する肯定的なコメントが多く出てくると想定していたところ、学生からは「Yes, but」の利点も挙げられ、状況によっては「Yes, but」のほうが良いこともあると気づかされました。また、ポスター発表の準備段階で、良い例・悪い例2枚のポスターを観察させたところ、どちらからも良い点、悪い点が挙げられ、そのアイディアに感動したこともありました。

 教えるのではなく、いかに学生に考えを言わせるかで、授業が変わってきます。学生からは「何を言っても安心できるクラス」と言われました。また、自分も授業でさまざまな声を聞くことができ、勉強になっています。自分に気づく旅を、学生と共に授業で作っていきたいと思います。

【4】デジタル教材アンケート結果のご報告
 学校での教室用デジタル教材・電子教科書の使用に関するアンケートを実施しました。アンケートにご回答いただいたみなさま、ご協力いただきありがとうございました。
 アンケート結果の内容を、簡単にご報告します。
※ここでは教室用デジタル教材=教師が使用するデジタル教材(動画・スライド・PDFなど)、電子教科書=採用教科書としております。

<アンケート結果> ご回答件数:57件
 まずは、教室用デジタル教材に関する質問への回答内容をご報告します。
 教室用デジタル教材の使用については、「使用している」との回答が9割でした。もっともよく使われているデジタル教材は、PowerPointなどのスライド、次にPDFファイルでした。YouTubeやmp4の動画コンテンツを使用して授業をしている学校も多いことがわかります。

 「どのような教室用デジタル教材があればいいと思いますか」という質問については、絵カードなど授業で使える教材のほか、学習者が授業外で使える自宅学習用の動画コンテンツのリクエストを多くいただきました。初級日本語のpodcastがあったらいいというご意見もありました。

 次に、電子教科書についてです。学生の電子教科書の使用率については、「どちらの学生もいるが紙の教科書を使っている」「全員紙の教科書を使っている」という回答が8割でした。ただ、「全員、電子の教科書を使用している」「紙と電子の両方を使用している学生がいる」というケースもあり、国や学校の環境によって、電子教科書の導入については差があるようです。
 また、電子教科書の使用については、今後も積極的に活用したい、学校での導入を検討したいという声を多くいただきました。一方で、紙の教科書を使用している学生と比べるとスマートフォンで電子教科書を使っている学生のほうが学習に遅れが出ているという悩みも寄せられ、クラスとしての導入については慎重に検討されている先生方がいらっしゃることもわかりました。
 「電子教科書にほしい機能は何か」という質問には「メモができる」「ハイライトが入れられる」「音声が聞ける」「文字を拡大できる」「付箋を付けられる」「検索ができる」などの回答がありました。ジャパンタイムズ出版デジタルストアで販売中のe-bookはそんなご要望にお応えできる電子教科書です。

 今後、さらに便利な機能を増やしていけるようアップデートを続けていきたいと思います。先生方にとっても学生さん方にとっても、より使いやすいデジタル教材、電子教科書の開発に努めてまいります。

【5】日本語教育学会 賛助団体出展のお知らせ
2023年日本語教育学会春季大会の 賛助団体会員出展ブースにて、オンラインセッションを行います。
今回は『マルチメディア日本語基本文法ワークブック』について、著者にご説明いただきます。ぜひご参加ください。

日時:2023年5月27日(土)15:30~16:00(第2会場)
※事前申込不要・参加費無料


■編集後記
季節の言葉というと、春夏秋冬や、24節気が思いつきますが、さらに細かく季節を分けた72候(しちじゅうにこう)があります。5月19日は、「竹笋生(たけのこしょうず)」で、たけのこが出てくるころという意味です。なんと、約5日ごとに季節を表す言葉があるのですが、日本では今、それぐらい季節の変化が早く、夏に向かっているのを感じます。言葉で季節を感じる72候、おすすめです。
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THE NIHONGO TIMES 第4号 
2023年5月19日発行
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