『世界』メールマガジン/2024年11月号【特集1:アメリカという難問】 【特集2:フリーランスを生きる】
2024/10/08 (Tue) 11:00
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■■ 『世界』メールマガジン/2024年11月号
■■ vol.#0113
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■『世界』2024年11月号(第987号)好評発売中
2024年10月8日発行
定価1045円(税込)
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▼本号の目次
特集1/特集2/注目記事/世界の潮/本との出会い/連載/編集後記/
『世界』臨時増刊月号のご案内/『世界』から生まれた本/「WEB世界」のご案内
┏━━━┓
┃特集 1┃アメリカという難問
┗━━━╋…────────────────────────────────
ガザが問う、カマラ・ハリスの真価
三牧聖子(同志社大学)
国家神信仰を批判する
森本あんり(東京女子大学学長)
「右派進歩主義」の台頭──大統領選と保守思想の再編
井上弘貴(神戸大学)
アメリカン・ストロングマン──トランピズムの歴史的系譜
兼子 歩(明治大学)
水面下の対立、BLMの記憶──ブルックリンの片隅から
石黒治恵(ファッションパタンナー)
「アメリカの時代」の終わりと日本外交
玉置敦彦(中央大学)
┏━━━┓
┃特集 2┃フリーランスを生きる
┗━━━╋…────────────────────────────────
世界最大の労働問題をどう解決するか─フリーランス保護のゆくえ
水町勇一郎(早稲田大学)
〈ルポ〉
生身の働き手としての権利──四つの現場から
北 健一(ジャーナリスト)
芸能従事者は訴える
森崎めぐみ(俳優)
労働者・自営業者・フリーランス──労働者性をめぐって
橋本陽子(学習院大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イスラエル・ガザ戦争の一年
錦田愛子(慶應義塾大学)
再審無罪「袴田事件」の58年
藤原 聡(共同通信)
冤罪は、ただ一つの誤りの結果ではない──袴田事件再審無罪 四つの教訓
デイビッド・T・ジョンソン(ハワイ大学) 訳=秋元由紀(翻訳家)
「議員の偏り」から政治不信は生まれる──改革のラストチャンス
大山礼子(駒澤大学名誉教授)
自民党総裁選と統一教会
鈴木エイト(ジャーナリスト)
それでも解散総選挙はやってくる
宮原ジェフリー(選挙ライター)
〈連載〉
あたふたと身支度 第2回 辻元さんの赤ジャケット ※「つじ」は一点しんにょう
高橋純子(朝日新聞)
〈スケッチ〉
微生物たちのささやき
ドミニク・チェン(早稲田大学)
〈シリーズ夜店〉
韓国軍脱走兵の社会史にむけて
森田和樹(同志社大学博士後期課程)
基地国家・日本の現在
明田川 融(法政大学)
災害情報はいのちを救えるか──南海トラフ地震臨時情報から考える
関谷直也(東京大学)
世界の気候変動訴訟を変えたスイスのシニア女性たち
吉田公美子(ジャーナリスト)
ひとりで暮らす私たち 第2回 働いているのに、この不全感
和田靜香(ライター)
田中美津さんの死とぐるりのこと
山根純佳(実践女子大学)
リレー連載
隣のジャーナリズム 「教育ジャーナリズム」を磨く
小木曽浩介(教育新聞編集長)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇世界の潮
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇長崎「被爆体験者」訴訟 被爆者線引きの不条理
足立修一(弁護士)
◇令和のコメ騒動が突きつける「未解決の問題」
西川邦夫(茨城大学)
◇ウクライナ戦争 米大統領選という分水嶺
佐藤親賢(ジャーナリスト)
◇福島第一原発 燃料デブリ取り出し着手
尾松 亮(作家)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇本との出会い
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇言葉と言葉のかくれんぼ 第8回 韓国文学の巨木
斎藤真理子(翻訳家)
◇本とチェック 第18回 処方箋
金承福(クオン代表)
◇読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて
中村佑子(作家/映像作家)
◇今、この物語に出会えた意味──アダニーヤ・シブリー、山本薫訳『とるに足りない細部』宇垣美里(フリーアナウンサー)
◇メタ・ゲーム時代のノンフィクション─マイケル・ルイス著、小林啓倫訳『1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊』
若林恵(編集者/黒鳥社)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
最後は教育なのか? 第6回 共に生きるための包括的性教育─田代美江子さんに聞く
武田砂鉄(ライター)
彼女たちの 「戦後」 第3回 大橋鎭子──暮らすこと 分かちあうこと
山本昭宏(神戸市外国語大学)
ルポ 埼玉クルド人コミュニティ 第4回 生きるための呪文
安田浩一(ノンフィクションライター)
島に帰る 第10回 歴史に呼ばれて
榎本 空(エスノグラファー)
「変わらない」を変える 第18回 米大学 アファーマティブ・アクションのゆくえ
三浦まり(上智大学)
「拉致問題」風化に抗して 第12回 日本人拉致被害者に与えられた「革命任務」(その3)
蓮池 薫(新潟産業大学)
片山善博の「日本を診る」(180) 公益通報は有益情報──体験的公益通報者保護制度論
片山善博(大正大学)
脳力のレッスン(269) 革命家・孫文に揺さぶられた日中関係の位相
寺島実郎
ドキュメント激動の南北朝鮮 第327回(24・8~9)
編集部
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○記憶をもった鏡──『細倉を記録する寺崎英子の遺したフィルム』
戸田昌子(写真史家)
○岩波俳句
選・文 池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○読者談話室
○編集後記
○表紙木版画
久保舎己(表紙・裏表紙 ひとがゆく 2023)
○キャラクター・扉絵
西村ツチカ
○アートディレクション
須田杏菜
○本文デザイン
大原由衣+安賀裕子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
一五年前、DNA再鑑定で冤罪が明らかになった菅家利和さんのインタビューに同行した。突然の逮捕、そして取調べの恐怖を訥々(とつとつ)と語る菅家さんの心は、ずっと奥のほうにあるようだった。
そのことに気づかされたのは、それから数年後、冤罪被害者の支援集会に登壇し、ユーモアを交えつつ表情豊かに発言される姿をお見かけしたときだった。人間性が奪われる、その意味を目の当たりにする思いだった。
袴田巖さんは一九六六年の逮捕から四八年間、身体を拘束され、うち三三年はいつ死刑が執行がなされるかわからない状況に置かれてきた。
「拘置をこれ以上継続することは、耐え難いほど正義に反する」
二〇一四年、刑の執行停止と拘置所からの釈放も求めた静岡地裁の再審開始決定に、当時の弁護団長・西嶋勝彦さんは、「誤りを正し、司法に正義を取り戻そうとする決意」を見出していた(本誌二〇一四年五月号)。あれからさらに一〇年の時を経ての再審無罪だった。
判決言渡しの一週間前、日比谷公園の野外音楽堂では再審法改正を訴える集会が開かれた。蒸し暑さが残る夜空のもと、法律家、ジャーナリスト、支援者、様々な立場の人の声が響き合う場では、司法の過ちの目撃者として、袴田さん無罪の先を見据えた決意が共有されていたと思う。
今度こそ、過ちから学ぶ刑事司法に。あまりにも長い時間だった。
「われわれの勝利は、全世代にとっての勝利」──世界各地で提起されつつある気候変動訴訟の分野では、今年四月、欧州人権裁判所が画期的な判決を出した。原告となった市民団体「気候シニア」の歩みは、スイスの女性たちのエンパワーメントにもつながったという(吉田公美子さんルポ)。
ガザ戦争が始まって一年が経つ。通信機器の爆発、レバノンの人口密集地への空爆……ヒズボラ、あるいはイランの「レッドライン」に対する挑戦が相次ぎ、イスラエルをなぜ止められないのか、慄然とする事態が続く。ガザ停戦交渉はハマス幹部らの暗殺によって大きく揺さぶられてきた。
戦争長期化の背景には、アメリカ大統領選の帰趨(きすう)を見定めたいとのネタニヤフ首相の意図があるという(錦田愛子さん論考)。ウクライナ戦争においても、やはり米大統領選が戦争継続をめぐる分水嶺となる(佐藤親賢さん論考)。
だが、戦争が一日長引けば、それだけ人間の命が、日常が奪われる。大統領選の喧騒のなかで圧殺される声に目を向け(三牧聖子さん論考)、戦争を止めるために巨大な難問と向きあう必要がある。
この後記を書きながら、自民党総裁選の投票を見届けた。新首相は、沖縄選出の議員たちを辺野古移設容認へと方針転換させた過去について、総裁選演説会で終生忘れない、と口にした。日米のあいだにも、日米地位協定を始めいくつもの難問がある。宮原ジェフリーさんが語るように、「言葉に責任をとらせる」のは私たちだ。
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~~『世界』臨時増刊号のご案内~~
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◎『世界』臨時増刊 ウクライナ侵略戦争――世界秩序の危機
『世界』編集部 編
2022年4月14日刊
定価1,320円
https://a.bme.jp/5/415/12/XXXX
※書籍版はご好評につき品切れとなりましたが、電子書籍版を配信中です。
国際社会は冷戦終結以降、最大の危機を迎えた。核大国による侵略という事態をどう理解し、どう対峙するのか。多角的に検証する。
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~~『世界』から生まれた本~~
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◎プリズン・サークル
坂上 香
定価2,200円
https://a.bme.jp/5/415/13/XXXX
人は、ひとりでは罪と向き合えない。日本初となる刑務所内での長期撮影、一〇年超の取材がここに結実。
◎学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か(岩波新書)
芦名定道、宇野重規、岡田正則、小沢隆一、加藤陽子、松宮孝明
定価924円
https://a.bme.jp/5/415/14/XXXX
日本学術会議会員任命拒否には、日本社会の矛盾が象徴されている。当事者六名が、その背景と本質を問う。
◎読書会という幸福(岩波新書)
向井和美
定価946円
https://a.bme.jp/5/415/15/XXXX
本を語ることは人生を語ること。三十年以上続く、豊穣な「魂の交流の場」への想いをやわらかな文章で綴る。
◎沖縄という窓 クロニクル2008―2022
山城紀子、松元 剛、親川志奈子
定価2,420円
https://a.bme.jp/5/415/16/XXXX
三人の書き手が多角的に描き出す沖縄の同時代史。一四年にわたる雑誌『世界』好評リレー連載を単行本化。
◎いま、この惑星で起きていること 気象予報士の眼に映る世界
森さやか
定価902円
https://a.bme.jp/5/415/17/XXXX
世界各地で観測される異常気象を気象予報士の立場で解説し、今後について考察する。『世界』の大好評連載をまとめた一冊。
◎孤塁 双葉郡消防士たちの3・11
吉田千亜
定価1,100円
https://a.bme.jp/5/415/18/XXXX
死と隣り合わせで震災と原発災害に対応した消防士たちを丹念に取材。当時の緊迫を描き出した迫力作。
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~~「WEB世界」のご案内~~
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雑誌『世界』のWEB版もぜひ、ご覧ください
https://a.bme.jp/5/415/19/XXXX
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登録情報の編集・解除は,こちらよりお願いいたします.
https://a.bme.jp/5/415/20/XXXX
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〒101-8002 東京都千代田区一ツ橋2-5-5
E-Mail: sekai@iwanami.co.jp
WEB: https://a.bme.jp/5/415/21/XXXX
X(旧Twitter): https://a.bme.jp/5/415/22/XXXX
◇本誌のご注文はお近くの書店か小社営業部宛てにお願いいたします.
岩波書店営業部読者係(TEL:03-5210-4111,FAX:03-3263-6999)
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■『世界』2024年11月号(第987号)好評発売中
2024年10月8日発行
定価1045円(税込)
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▼本号の目次
特集1/特集2/注目記事/世界の潮/本との出会い/連載/編集後記/
『世界』臨時増刊月号のご案内/『世界』から生まれた本/「WEB世界」のご案内
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┃特集 1┃アメリカという難問
┗━━━╋…────────────────────────────────
ガザが問う、カマラ・ハリスの真価
三牧聖子(同志社大学)
国家神信仰を批判する
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「右派進歩主義」の台頭──大統領選と保守思想の再編
井上弘貴(神戸大学)
アメリカン・ストロングマン──トランピズムの歴史的系譜
兼子 歩(明治大学)
水面下の対立、BLMの記憶──ブルックリンの片隅から
石黒治恵(ファッションパタンナー)
「アメリカの時代」の終わりと日本外交
玉置敦彦(中央大学)
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┃特集 2┃フリーランスを生きる
┗━━━╋…────────────────────────────────
世界最大の労働問題をどう解決するか─フリーランス保護のゆくえ
水町勇一郎(早稲田大学)
〈ルポ〉
生身の働き手としての権利──四つの現場から
北 健一(ジャーナリスト)
芸能従事者は訴える
森崎めぐみ(俳優)
労働者・自営業者・フリーランス──労働者性をめぐって
橋本陽子(学習院大学)
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◆注目記事
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イスラエル・ガザ戦争の一年
錦田愛子(慶應義塾大学)
再審無罪「袴田事件」の58年
藤原 聡(共同通信)
冤罪は、ただ一つの誤りの結果ではない──袴田事件再審無罪 四つの教訓
デイビッド・T・ジョンソン(ハワイ大学) 訳=秋元由紀(翻訳家)
「議員の偏り」から政治不信は生まれる──改革のラストチャンス
大山礼子(駒澤大学名誉教授)
自民党総裁選と統一教会
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宮原ジェフリー(選挙ライター)
〈連載〉
あたふたと身支度 第2回 辻元さんの赤ジャケット ※「つじ」は一点しんにょう
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〈スケッチ〉
微生物たちのささやき
ドミニク・チェン(早稲田大学)
〈シリーズ夜店〉
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森田和樹(同志社大学博士後期課程)
基地国家・日本の現在
明田川 融(法政大学)
災害情報はいのちを救えるか──南海トラフ地震臨時情報から考える
関谷直也(東京大学)
世界の気候変動訴訟を変えたスイスのシニア女性たち
吉田公美子(ジャーナリスト)
ひとりで暮らす私たち 第2回 働いているのに、この不全感
和田靜香(ライター)
田中美津さんの死とぐるりのこと
山根純佳(実践女子大学)
リレー連載
隣のジャーナリズム 「教育ジャーナリズム」を磨く
小木曽浩介(教育新聞編集長)
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◇世界の潮
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◇長崎「被爆体験者」訴訟 被爆者線引きの不条理
足立修一(弁護士)
◇令和のコメ騒動が突きつける「未解決の問題」
西川邦夫(茨城大学)
◇ウクライナ戦争 米大統領選という分水嶺
佐藤親賢(ジャーナリスト)
◇福島第一原発 燃料デブリ取り出し着手
尾松 亮(作家)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇本との出会い
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◇言葉と言葉のかくれんぼ 第8回 韓国文学の巨木
斎藤真理子(翻訳家)
◇本とチェック 第18回 処方箋
金承福(クオン代表)
◇読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて
中村佑子(作家/映像作家)
◇今、この物語に出会えた意味──アダニーヤ・シブリー、山本薫訳『とるに足りない細部』宇垣美里(フリーアナウンサー)
◇メタ・ゲーム時代のノンフィクション─マイケル・ルイス著、小林啓倫訳『1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊』
若林恵(編集者/黒鳥社)
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●連載
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最後は教育なのか? 第6回 共に生きるための包括的性教育─田代美江子さんに聞く
武田砂鉄(ライター)
彼女たちの 「戦後」 第3回 大橋鎭子──暮らすこと 分かちあうこと
山本昭宏(神戸市外国語大学)
ルポ 埼玉クルド人コミュニティ 第4回 生きるための呪文
安田浩一(ノンフィクションライター)
島に帰る 第10回 歴史に呼ばれて
榎本 空(エスノグラファー)
「変わらない」を変える 第18回 米大学 アファーマティブ・アクションのゆくえ
三浦まり(上智大学)
「拉致問題」風化に抗して 第12回 日本人拉致被害者に与えられた「革命任務」(その3)
蓮池 薫(新潟産業大学)
片山善博の「日本を診る」(180) 公益通報は有益情報──体験的公益通報者保護制度論
片山善博(大正大学)
脳力のレッスン(269) 革命家・孫文に揺さぶられた日中関係の位相
寺島実郎
ドキュメント激動の南北朝鮮 第327回(24・8~9)
編集部
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○記憶をもった鏡──『細倉を記録する寺崎英子の遺したフィルム』
戸田昌子(写真史家)
○岩波俳句
選・文 池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○読者談話室
○編集後記
○表紙木版画
久保舎己(表紙・裏表紙 ひとがゆく 2023)
○キャラクター・扉絵
西村ツチカ
○アートディレクション
須田杏菜
○本文デザイン
大原由衣+安賀裕子
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編集後記
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一五年前、DNA再鑑定で冤罪が明らかになった菅家利和さんのインタビューに同行した。突然の逮捕、そして取調べの恐怖を訥々(とつとつ)と語る菅家さんの心は、ずっと奥のほうにあるようだった。
そのことに気づかされたのは、それから数年後、冤罪被害者の支援集会に登壇し、ユーモアを交えつつ表情豊かに発言される姿をお見かけしたときだった。人間性が奪われる、その意味を目の当たりにする思いだった。
袴田巖さんは一九六六年の逮捕から四八年間、身体を拘束され、うち三三年はいつ死刑が執行がなされるかわからない状況に置かれてきた。
「拘置をこれ以上継続することは、耐え難いほど正義に反する」
二〇一四年、刑の執行停止と拘置所からの釈放も求めた静岡地裁の再審開始決定に、当時の弁護団長・西嶋勝彦さんは、「誤りを正し、司法に正義を取り戻そうとする決意」を見出していた(本誌二〇一四年五月号)。あれからさらに一〇年の時を経ての再審無罪だった。
判決言渡しの一週間前、日比谷公園の野外音楽堂では再審法改正を訴える集会が開かれた。蒸し暑さが残る夜空のもと、法律家、ジャーナリスト、支援者、様々な立場の人の声が響き合う場では、司法の過ちの目撃者として、袴田さん無罪の先を見据えた決意が共有されていたと思う。
今度こそ、過ちから学ぶ刑事司法に。あまりにも長い時間だった。
「われわれの勝利は、全世代にとっての勝利」──世界各地で提起されつつある気候変動訴訟の分野では、今年四月、欧州人権裁判所が画期的な判決を出した。原告となった市民団体「気候シニア」の歩みは、スイスの女性たちのエンパワーメントにもつながったという(吉田公美子さんルポ)。
ガザ戦争が始まって一年が経つ。通信機器の爆発、レバノンの人口密集地への空爆……ヒズボラ、あるいはイランの「レッドライン」に対する挑戦が相次ぎ、イスラエルをなぜ止められないのか、慄然とする事態が続く。ガザ停戦交渉はハマス幹部らの暗殺によって大きく揺さぶられてきた。
戦争長期化の背景には、アメリカ大統領選の帰趨(きすう)を見定めたいとのネタニヤフ首相の意図があるという(錦田愛子さん論考)。ウクライナ戦争においても、やはり米大統領選が戦争継続をめぐる分水嶺となる(佐藤親賢さん論考)。
だが、戦争が一日長引けば、それだけ人間の命が、日常が奪われる。大統領選の喧騒のなかで圧殺される声に目を向け(三牧聖子さん論考)、戦争を止めるために巨大な難問と向きあう必要がある。
この後記を書きながら、自民党総裁選の投票を見届けた。新首相は、沖縄選出の議員たちを辺野古移設容認へと方針転換させた過去について、総裁選演説会で終生忘れない、と口にした。日米のあいだにも、日米地位協定を始めいくつもの難問がある。宮原ジェフリーさんが語るように、「言葉に責任をとらせる」のは私たちだ。
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『世界』編集部 編
2022年4月14日刊
定価1,320円
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国際社会は冷戦終結以降、最大の危機を迎えた。核大国による侵略という事態をどう理解し、どう対峙するのか。多角的に検証する。
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坂上 香
定価2,200円
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◎学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か(岩波新書)
芦名定道、宇野重規、岡田正則、小沢隆一、加藤陽子、松宮孝明
定価924円
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日本学術会議会員任命拒否には、日本社会の矛盾が象徴されている。当事者六名が、その背景と本質を問う。
◎読書会という幸福(岩波新書)
向井和美
定価946円
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本を語ることは人生を語ること。三十年以上続く、豊穣な「魂の交流の場」への想いをやわらかな文章で綴る。
◎沖縄という窓 クロニクル2008―2022
山城紀子、松元 剛、親川志奈子
定価2,420円
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三人の書き手が多角的に描き出す沖縄の同時代史。一四年にわたる雑誌『世界』好評リレー連載を単行本化。
◎いま、この惑星で起きていること 気象予報士の眼に映る世界
森さやか
定価902円
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世界各地で観測される異常気象を気象予報士の立場で解説し、今後について考察する。『世界』の大好評連載をまとめた一冊。
◎孤塁 双葉郡消防士たちの3・11
吉田千亜
定価1,100円
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死と隣り合わせで震災と原発災害に対応した消防士たちを丹念に取材。当時の緊迫を描き出した迫力作。
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