『世界』メールマガジン/2024年12月号【特集1:視えない中国】 【特集2:私たちのエネルギー】
2024/11/08 (Fri) 11:00
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■■ 『世界』メールマガジン/2024年12月号
■■ vol.#0114
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■『世界』2024年12月号(第988号)好評発売中
2024年11月8日発行
定価1045円(税込)
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▼本号の目次
特集1/特集2/注目記事/世界の潮/本との出会い/連載/編集後記/
『世界』臨時増刊月号のご案内/『世界』から生まれた本/「WEB世界」のご案内
┏━━━┓
┃特集 1┃視えない中国
┗━━━╋…────────────────────────────────
日本人学校男児殺害事件--日中関係の転機か
吉岡桂子(朝日新聞)(※よしの字は、口の上が土)
中国経済は日本化するのか--不動産不況と過剰生産
梶谷 懐(神戸大学)
圧縮型発展の曲がり角で--ことばから読む市井の暮らし
斎藤淳子(ライター)
日中「平和・協力・友好の海」のゆくえ
毛利亜樹(筑波大学)
┏━━━┓
┃特集 2┃私たちのエネルギー
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈気候再生のために特別編〉
二〇五〇年脱炭素への分岐点--エネルギー基本計画改定の論点
高村ゆかり(東京大学)
“脱炭素”という名の原発延命策--GX政策を問う
大島堅一(龍谷大学)
再エネに吹く向かい風--なにが地域との共生を阻むのか
茅野恒秀(信州大学)
明日を生きるための訴訟--日韓若者座談会
キム・ボリム×ユン・ヒョンジョン×高田陽平(※たかの字は、はしごだか)×いぶ
石炭火力 日本はなぜ廃止できないか
桃井貴子(気候ネットワーク)
「オフグリッド」から世界を発見する
北川真紀(東京大学特任研究員)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ラピダスはどこへ--台湾・TSMCからみる「半導体支援」への問い
川上桃子(神奈川大学)
〈ノーベル平和賞受賞〉
被団協の歩み、被爆者の願い、そして私たち
栗原淑江(ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会)
〈対談〉
裏金大敗、石破自民の命運
後藤謙次(政治ジャーナリスト)×中北浩爾(中央大学)
「軍事オタク」首相の思考法を読み解く--石破茂の本当の「危うさ」とは
水島朝穂(早稲田大学名誉教授)
「われわれリベラル」を再考する
朱喜哲(大阪大学社会技術共創研究センター招へい准教授)
アメリカ 「オルタナティブな現実」が覆う未来
竹田ダニエル(ジャーナリスト/研究者)
イスラエル・ヒズボラ紛争を規律する国際法
根岸陽太(西南学院大学)
ヒズブッラーの闘志の燃料--レバノン弱体化の影で
高岡 豊(こぶた総合研究所)(※たかの字は、はしごだか)
〈スケッチ〉
島原・外海--生命に触れた旅
長田育恵(劇作家)
〈シリーズ夜店〉
東京 都市計画の出発点--その儘ならない歴史
松山 恵(明治大学)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〈ポストアベノミクスの財源論〉
対談 これからの時代の税の考え方--全世代型社会保障と金融資産課税は実現可能か
諸富 徹(京都大学)×広井良典(京都大学)
人口減少を乗り切るための財政戦略--将来世代の利益も守れ
田中秀明(明治大学)
多様な地域をどう支え合うか--自治体財政の課題
沼尾波子(東洋大学)
防衛費膨張が意味するもの--アメリカの対外政策との関係
河音琢郎(立命館大学)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〈連載〉
ひとりで暮らす私たち 第3回 「会計年度任用職員」という大問題
和田靜香(ライター)
〈リレー連載〉
隣のジャーナリズム マンネリズムに抗う
酒井聡平(北海道新聞)
ブラジル移民史の新章--謝罪要求運動、ふたつの 水流
三山 喬(ジャーナリスト)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇世界の潮
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇えん罪事件の公的検証を--袴田事件再審無罪を刑事司法改革にどう生かすか
笹倉香奈(甲南大学)
◇家政婦過労死事件 高裁判決が語ること、語らないこと
濱口桂一郎(労働政策研究・研修機構)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇本との出会い
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇本とチェック 第19回 ノーベル文学賞をハン・ガンの引き出しに入れておいた
金承福(クオン代表)
◇言葉と言葉のかくれんぼ 第9回 悲しみの質量
チョン・スユン(翻訳家)
◇「忘れられない」のはなぜか--小野和子『忘れられない日本人』
濱口竜介(映画監督)
◇科学と非科学のあいだ--マッキンタイア『「科学的に正しい」とは何か』/リッチー『Science Fictions』
松村一志(成城大学)
◇最終回
〈小さな物語〉の復興 『フランケンシュタイン』をよむ 第10回 アンチ・ヒーロー
小川公代(上智大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて
酒井啓子(千葉大学)
ルポ 埼玉クルド人コミュニティ 第5回 夢のゆくえ
安田浩一(ノンフィクションライター)
あたふたと身支度 第3回 戦闘服あれこれ
高橋純子(朝日新聞)
彼女たちの 「戦後」 第4回 鴨居羊子--下着革命から全身表現者へ
山本昭宏(神戸市外国語大学)
「変わらない」を変える 第19回 米中絶問題の核心
三浦まり(上智大学)
片山善博の「日本を診る」(181) 歳出と歳入のバランスを考える国柄に
片山善博(大正大学)
脳力のレッスン(270) 遅れてきた帝国としての日米の邂逅
寺島実郎
ドキュメント激動の南北朝鮮 第328回(24・9~10)
編集部
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○記憶をもった鏡--ボリス・ミハイロフ『Yesterday’s Sandwich II 』
○戸田昌子(写真史家)
○岩波俳句
選・文 池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○読者談話室
○編集後記
○表紙木版画
久保舎己(表紙 ごみ 1981 裏表紙 無題 2023)
○キャラクター・扉絵
西村ツチカ
○アートディレクション
須田杏菜
○本文デザイン
大原由衣+安賀裕子
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「公益の代表者」とは何だろう。
袴田事件の再審無罪判決後、控訴を断念するとした談話で畝本(うねもと)検事総長は、判決理由に多くの問題があり到底承服できないと述べた(笹倉香奈さん論考)。
大阪地検元検事正の部下に対する性的暴行事件の裁判が始まり、元検事正が検事の女性に、さらなる検察不祥事が発覚すれば検事総長が辞任することになる、などと脅したとも告発された。法が定める役割より、組織防衛を優先する姿勢をいつまでとりつづけるのか。
党利しかない、と見透かされた自公政権が総選挙で惨敗した。
投票日前日の夕方、東京一区での石破総裁の応援演説は、「裏金議員」の候補者の手前か政治資金問題に触れずじまいで、途中で帰る人も目立った。
熱気は同じ選挙区の立憲民主党候補の最後の訴えでも特に感じられなかった。投票率は前回をさらに下回ったが、街頭で静かに耳を傾けていた人たち、それぞれの暮らしの中の切実さに応える言葉があっただろうか。
民意を受け、過半数を占める勢力のない「宙づり国会」となる。石破政権は「与党内と対野党の二つのレベルのゲーム」への対応で、綱渡りの政権運営が見込まれる(対談 中北浩爾さん)。
だが、企業団体献金の禁止を含む政治資金法の改正を皮切りに、議論が成立する国会の姿をみたい。党利では国民の信を得られないことにいい加減気づくべきだ。
10月末、東日本大震災で被災した原発として初めて女川原発2号機が再稼働した。岸田政権の「GX」政策の一環として打ち出された原子力・火力発電の延命策は選挙の主な争点とならなかったが、エネルギー基本計画の改定を前に、私たちは2050年の未来を決める岐路に立っている(特集2)。
ノーベル賞をいつになく身近に感じた年だった。核兵器禁止条約の発効、そして日本被団協の平和賞受賞。国際社会は被団協の願いと歩みを正面から受けとめてきた。だが日本はどうか? 栗原淑江さんが述べるように、被団協がまとめた「原爆被爆者の基本要求」は果たされないまま、古びることがない。
ハン・ガンさんのノーベル文学賞受賞をよろこぶ声は日本でも多く聞かれた。10年以上前から作品を翻訳紹介し、日韓を架橋してきた「裏方」の存在の大きさを改めて感じる。
学生時代、香港で知り合った中国本土からの留学生は、話すうち「安部公房」「友達」と紙に書き、戯曲を読んだと教えてくれた。同じ作品を読み、話す。共通言語からつながりが生まれる。
日中関係はいま、蘇州での日本人学校バス襲撃事件、深センでの男児殺害事件を受け、常に「接着剤」となってきた日本のビジネス界にも変化が生じつつある(吉岡桂子さん論考)。研究分野の行き来も滞り、政治だけでなく、社会の姿もより遠くなっていないか。顔の見える人間同士としての「共通言語」が今こそ求められている。
そんな言語空間を私たちも耕していきたい。
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~~『世界』臨時増刊号のご案内~~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎『世界』臨時増刊 ウクライナ侵略戦争――世界秩序の危機
『世界』編集部 編
2022年4月14日刊
定価1,320円
https://iwnm.jp/022242
※書籍版はご好評につき品切れとなりましたが、電子書籍版を配信中です。
国際社会は冷戦終結以降、最大の危機を迎えた。核大国による侵略という事態をどう理解し、どう対峙するのか。多角的に検証する。
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~~『世界』から生まれた本~~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎プリズン・サークル
坂上 香
定価2,200円
https://iwnm.jp/061526
人は、ひとりでは罪と向き合えない。日本初となる刑務所内での長期撮影、一〇年超の取材がここに結実。
◎学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か(岩波新書)
芦名定道、宇野重規、岡田正則、小沢隆一、加藤陽子、松宮孝明
定価924円
https://iwnm.jp/431925
日本学術会議会員任命拒否には、日本社会の矛盾が象徴されている。当事者六名が、その背景と本質を問う。
◎読書会という幸福(岩波新書)
向井和美
定価946円
https://iwnm.jp/431932
本を語ることは人生を語ること。三十年以上続く、豊穣な「魂の交流の場」への想いをやわらかな文章で綴る。
◎沖縄という窓 クロニクル2008―2022
山城紀子、松元 剛、親川志奈子
定価2,420円
https://iwnm.jp/061541
三人の書き手が多角的に描き出す沖縄の同時代史。一四年にわたる雑誌『世界』好評リレー連載を単行本化。
◎いま、この惑星で起きていること 気象予報士の眼に映る世界
森さやか
定価902円
https://iwnm.jp/500954
世界各地で観測される異常気象を気象予報士の立場で解説し、今後について考察する。『世界』の大好評連載をまとめた一冊。
◎孤塁 双葉郡消防士たちの3・11
吉田千亜
定価1,100円
https://iwnm.jp/603333
死と隣り合わせで震災と原発災害に対応した消防士たちを丹念に取材。当時の緊迫を描き出した迫力作。
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~~「WEB世界」のご案内~~
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雑誌『世界』のWEB版もぜひ、ご覧ください
https://tanemaki.iwanami.co.jp/
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登録情報の編集・解除は,こちらよりお願いいたします.
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◇本誌のご注文はお近くの書店か小社営業部宛てにお願いいたします.
岩波書店営業部読者係(TEL:03-5210-4111,FAX:03-3263-6999)
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2024年11月8日発行
定価1045円(税込)
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▼本号の目次
特集1/特集2/注目記事/世界の潮/本との出会い/連載/編集後記/
『世界』臨時増刊月号のご案内/『世界』から生まれた本/「WEB世界」のご案内
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┃特集 1┃視えない中国
┗━━━╋…────────────────────────────────
日本人学校男児殺害事件--日中関係の転機か
吉岡桂子(朝日新聞)(※よしの字は、口の上が土)
中国経済は日本化するのか--不動産不況と過剰生産
梶谷 懐(神戸大学)
圧縮型発展の曲がり角で--ことばから読む市井の暮らし
斎藤淳子(ライター)
日中「平和・協力・友好の海」のゆくえ
毛利亜樹(筑波大学)
┏━━━┓
┃特集 2┃私たちのエネルギー
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈気候再生のために特別編〉
二〇五〇年脱炭素への分岐点--エネルギー基本計画改定の論点
高村ゆかり(東京大学)
“脱炭素”という名の原発延命策--GX政策を問う
大島堅一(龍谷大学)
再エネに吹く向かい風--なにが地域との共生を阻むのか
茅野恒秀(信州大学)
明日を生きるための訴訟--日韓若者座談会
キム・ボリム×ユン・ヒョンジョン×高田陽平(※たかの字は、はしごだか)×いぶ
石炭火力 日本はなぜ廃止できないか
桃井貴子(気候ネットワーク)
「オフグリッド」から世界を発見する
北川真紀(東京大学特任研究員)
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◆注目記事
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ラピダスはどこへ--台湾・TSMCからみる「半導体支援」への問い
川上桃子(神奈川大学)
〈ノーベル平和賞受賞〉
被団協の歩み、被爆者の願い、そして私たち
栗原淑江(ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会)
〈対談〉
裏金大敗、石破自民の命運
後藤謙次(政治ジャーナリスト)×中北浩爾(中央大学)
「軍事オタク」首相の思考法を読み解く--石破茂の本当の「危うさ」とは
水島朝穂(早稲田大学名誉教授)
「われわれリベラル」を再考する
朱喜哲(大阪大学社会技術共創研究センター招へい准教授)
アメリカ 「オルタナティブな現実」が覆う未来
竹田ダニエル(ジャーナリスト/研究者)
イスラエル・ヒズボラ紛争を規律する国際法
根岸陽太(西南学院大学)
ヒズブッラーの闘志の燃料--レバノン弱体化の影で
高岡 豊(こぶた総合研究所)(※たかの字は、はしごだか)
〈スケッチ〉
島原・外海--生命に触れた旅
長田育恵(劇作家)
〈シリーズ夜店〉
東京 都市計画の出発点--その儘ならない歴史
松山 恵(明治大学)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〈ポストアベノミクスの財源論〉
対談 これからの時代の税の考え方--全世代型社会保障と金融資産課税は実現可能か
諸富 徹(京都大学)×広井良典(京都大学)
人口減少を乗り切るための財政戦略--将来世代の利益も守れ
田中秀明(明治大学)
多様な地域をどう支え合うか--自治体財政の課題
沼尾波子(東洋大学)
防衛費膨張が意味するもの--アメリカの対外政策との関係
河音琢郎(立命館大学)
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〈連載〉
ひとりで暮らす私たち 第3回 「会計年度任用職員」という大問題
和田靜香(ライター)
〈リレー連載〉
隣のジャーナリズム マンネリズムに抗う
酒井聡平(北海道新聞)
ブラジル移民史の新章--謝罪要求運動、ふたつの 水流
三山 喬(ジャーナリスト)
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◇世界の潮
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◇えん罪事件の公的検証を--袴田事件再審無罪を刑事司法改革にどう生かすか
笹倉香奈(甲南大学)
◇家政婦過労死事件 高裁判決が語ること、語らないこと
濱口桂一郎(労働政策研究・研修機構)
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◇本との出会い
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◇本とチェック 第19回 ノーベル文学賞をハン・ガンの引き出しに入れておいた
金承福(クオン代表)
◇言葉と言葉のかくれんぼ 第9回 悲しみの質量
チョン・スユン(翻訳家)
◇「忘れられない」のはなぜか--小野和子『忘れられない日本人』
濱口竜介(映画監督)
◇科学と非科学のあいだ--マッキンタイア『「科学的に正しい」とは何か』/リッチー『Science Fictions』
松村一志(成城大学)
◇最終回
〈小さな物語〉の復興 『フランケンシュタイン』をよむ 第10回 アンチ・ヒーロー
小川公代(上智大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
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読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて
酒井啓子(千葉大学)
ルポ 埼玉クルド人コミュニティ 第5回 夢のゆくえ
安田浩一(ノンフィクションライター)
あたふたと身支度 第3回 戦闘服あれこれ
高橋純子(朝日新聞)
彼女たちの 「戦後」 第4回 鴨居羊子--下着革命から全身表現者へ
山本昭宏(神戸市外国語大学)
「変わらない」を変える 第19回 米中絶問題の核心
三浦まり(上智大学)
片山善博の「日本を診る」(181) 歳出と歳入のバランスを考える国柄に
片山善博(大正大学)
脳力のレッスン(270) 遅れてきた帝国としての日米の邂逅
寺島実郎
ドキュメント激動の南北朝鮮 第328回(24・9~10)
編集部
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○記憶をもった鏡--ボリス・ミハイロフ『Yesterday’s Sandwich II 』
○戸田昌子(写真史家)
○岩波俳句
選・文 池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○読者談話室
○編集後記
○表紙木版画
久保舎己(表紙 ごみ 1981 裏表紙 無題 2023)
○キャラクター・扉絵
西村ツチカ
○アートディレクション
須田杏菜
○本文デザイン
大原由衣+安賀裕子
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編集後記
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「公益の代表者」とは何だろう。
袴田事件の再審無罪判決後、控訴を断念するとした談話で畝本(うねもと)検事総長は、判決理由に多くの問題があり到底承服できないと述べた(笹倉香奈さん論考)。
大阪地検元検事正の部下に対する性的暴行事件の裁判が始まり、元検事正が検事の女性に、さらなる検察不祥事が発覚すれば検事総長が辞任することになる、などと脅したとも告発された。法が定める役割より、組織防衛を優先する姿勢をいつまでとりつづけるのか。
党利しかない、と見透かされた自公政権が総選挙で惨敗した。
投票日前日の夕方、東京一区での石破総裁の応援演説は、「裏金議員」の候補者の手前か政治資金問題に触れずじまいで、途中で帰る人も目立った。
熱気は同じ選挙区の立憲民主党候補の最後の訴えでも特に感じられなかった。投票率は前回をさらに下回ったが、街頭で静かに耳を傾けていた人たち、それぞれの暮らしの中の切実さに応える言葉があっただろうか。
民意を受け、過半数を占める勢力のない「宙づり国会」となる。石破政権は「与党内と対野党の二つのレベルのゲーム」への対応で、綱渡りの政権運営が見込まれる(対談 中北浩爾さん)。
だが、企業団体献金の禁止を含む政治資金法の改正を皮切りに、議論が成立する国会の姿をみたい。党利では国民の信を得られないことにいい加減気づくべきだ。
10月末、東日本大震災で被災した原発として初めて女川原発2号機が再稼働した。岸田政権の「GX」政策の一環として打ち出された原子力・火力発電の延命策は選挙の主な争点とならなかったが、エネルギー基本計画の改定を前に、私たちは2050年の未来を決める岐路に立っている(特集2)。
ノーベル賞をいつになく身近に感じた年だった。核兵器禁止条約の発効、そして日本被団協の平和賞受賞。国際社会は被団協の願いと歩みを正面から受けとめてきた。だが日本はどうか? 栗原淑江さんが述べるように、被団協がまとめた「原爆被爆者の基本要求」は果たされないまま、古びることがない。
ハン・ガンさんのノーベル文学賞受賞をよろこぶ声は日本でも多く聞かれた。10年以上前から作品を翻訳紹介し、日韓を架橋してきた「裏方」の存在の大きさを改めて感じる。
学生時代、香港で知り合った中国本土からの留学生は、話すうち「安部公房」「友達」と紙に書き、戯曲を読んだと教えてくれた。同じ作品を読み、話す。共通言語からつながりが生まれる。
日中関係はいま、蘇州での日本人学校バス襲撃事件、深センでの男児殺害事件を受け、常に「接着剤」となってきた日本のビジネス界にも変化が生じつつある(吉岡桂子さん論考)。研究分野の行き来も滞り、政治だけでなく、社会の姿もより遠くなっていないか。顔の見える人間同士としての「共通言語」が今こそ求められている。
そんな言語空間を私たちも耕していきたい。
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◎『世界』臨時増刊 ウクライナ侵略戦争――世界秩序の危機
『世界』編集部 編
2022年4月14日刊
定価1,320円
https://iwnm.jp/022242
※書籍版はご好評につき品切れとなりましたが、電子書籍版を配信中です。
国際社会は冷戦終結以降、最大の危機を迎えた。核大国による侵略という事態をどう理解し、どう対峙するのか。多角的に検証する。
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◎プリズン・サークル
坂上 香
定価2,200円
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人は、ひとりでは罪と向き合えない。日本初となる刑務所内での長期撮影、一〇年超の取材がここに結実。
◎学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か(岩波新書)
芦名定道、宇野重規、岡田正則、小沢隆一、加藤陽子、松宮孝明
定価924円
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日本学術会議会員任命拒否には、日本社会の矛盾が象徴されている。当事者六名が、その背景と本質を問う。
◎読書会という幸福(岩波新書)
向井和美
定価946円
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本を語ることは人生を語ること。三十年以上続く、豊穣な「魂の交流の場」への想いをやわらかな文章で綴る。
◎沖縄という窓 クロニクル2008―2022
山城紀子、松元 剛、親川志奈子
定価2,420円
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三人の書き手が多角的に描き出す沖縄の同時代史。一四年にわたる雑誌『世界』好評リレー連載を単行本化。
◎いま、この惑星で起きていること 気象予報士の眼に映る世界
森さやか
定価902円
https://iwnm.jp/500954
世界各地で観測される異常気象を気象予報士の立場で解説し、今後について考察する。『世界』の大好評連載をまとめた一冊。
◎孤塁 双葉郡消防士たちの3・11
吉田千亜
定価1,100円
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死と隣り合わせで震災と原発災害に対応した消防士たちを丹念に取材。当時の緊迫を描き出した迫力作。
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