バックナンバー

  • 2024/04/08 (Mon) 11:00
    『世界』メールマガジン/2024年5月号【特集1:地方対中央】【特集2:暴力の起源──植民地主義を問う】
  • 2024/03/08 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2024年4月号【特集1:トランプふたたび】【特集2:人権を取り戻す】
  • 2024/02/08 (Thu) 11:00
    『世界』メールマガジン/2024年3月号【特集1:さよなら自民党 派閥・世襲・裏金】【特集2:働けど働けど】
  • 2024/01/06 (Sat) 11:00
    『世界』メールマガジン/2024年2月号【特集1:リベラルに希望はあるか】【特集2:受験という迷路】
  • 2023/12/08 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2024年1月号【特集1:ふたつの戦争、ひとつの世界】【特集2:ディストピア・ジャパン】
  • 2023/11/08 (Wed) 11:00
    『世界』メールマガジン/2023年12月号【特集1:限界を生きる──超高齢社会の老後とは】【緊急特集:ガザ 極限の人道危機】
  • 2023/10/06 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2023年11月号【特集1:大阪とデモクラシー──維新・万博・都市の地層】【特集2:デジタルの壁】
  • 2023/09/08 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2023年10月号【特集1:瀕死の1.5℃目標──政治よ目覚めよ】【特集2:日本政治の底──ポスト岸田の論点】
  • 2023/08/08 (Tue) 11:00
    『世界』メールマガジン/2023年9月号【特集1:私たちの日韓関係】【特集2:専門職の危機──研究者・官僚・医師・教員】
  • 2023/07/07 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2023年8月号【特集:安倍政治の決算】
  • 2023/06/08 (Thu) 14:00
    『世界』メールマガジン/2023年7月号【特集1:狂騒のChatGPT】【特集2:交錯する人権と外交】
  • 2023/05/08 (Mon) 14:30
    『世界』メールマガジン/2023年6月号【特集1:現代日本のSNS空間】【特集2:もうひとつの資本主義へ――宇沢弘文という問い】
  • 2023/04/07 (Fri) 13:00
    『世界』メールマガジン/2023年5月号【特集1:新しい戦前と憲法】【特集2:見えない貧困】
  • 2023/03/16 (Thu) 15:02
    『世界』メールマガジン/2023年4月号【特集1:痛みからつながる──女性と法の現在】【特集2:保学校 息苦しさからの脱却】
  • 2023/02/08 (Wed) 14:00
    『世界』メールマガジン/2023年3月号【特集1:世界史の試練 ウクライナ戦争】【特集2:保育の貧困――「異次元の少子化対策」を問う】
  • 2023/01/09 (Mon) 14:00
    『世界』メールマガジン/2023年2月号【特集1:習近平新時代 共存の道は】【特集2:コロナは日本をどう変えた?】
  • 2022/12/08 (Thu) 11:00
    『世界』メールマガジン/2023年1月号【特集1:経済停滞 出口を見つける】【特集2:アメリカの憂鬱――2024年大統領選の焦点】
  • 2022/11/08 (Tue) 11:00
    『世界』メールマガジン/2022年12月号【特集1:カルト・宗教・政治】【特集2:分断された国際秩序】
  • 2022/10/07 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2022年11月号 【特集:戦後民主主義に賭ける】
  • 2022/09/08 (Thu) 11:00
    『世界』メールマガジン/2022年10月号 【特集1:変革の最前線】【特集2:オンラインと自由――誹謗中傷から考える】
  • 2022/08/08 (Mon) 11:00
    『世界』メールマガジン/2022年月号9月号 【特集1:歴史否定論 克服は可能か?】【緊急特集:元首相銃撃殺害 何が問われているか】
  • 2022/06/08 (Wed) 16:00
    『世界』メールマガジン/2022年月号7月号 【特集1:軍拡が平和をもたらすのか】【特集2:侵略の代償――ウクライナ危機と国際社会】
  • 2022/05/09 (Mon) 17:00
    『世界』メールマガジン/2022年月号6月号 【特集1:核軍縮というリアリティ】【特集2:批判的野党がなぜ必要か】
  • 2022/04/08 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2022年5月号 【特集1:沖縄「復帰」ゼロ年】【緊急特集:ウクライナ――平和への道標と課題】
  • 2022/03/08 (Tue) 14:00
    『世界』メールマガジン/2022年月号4月号 【特集1:中国とどう向き合うか】【特集2:コロナ禍と子どもたち】
  • 2022/02/15 (Tue) 11:30
    『世界』メールマガジン/2022年3月号 【特集1:経済安保の裏側】【特集2:維新の政治――「改革」の幻惑】
  • 2022/01/18 (Tue) 11:00
    『世界』メールマガジン/2022年2月号 【特集1:クルマの社会的費用】【特集2:日本司法の "独自進化"】
  • 2021/12/10 (Fri) 15:45
    『世界』メールマガジン/2022年1月号 【特集1:ケアーー人を支え、社会を変える】【特集2:気候危機と民主主義――COP26からの出発】
  • 2021/11/11 (Thu) 11:00
    『世界』メールマガジン/2021年12月号 【特集1:学知と政治】【特集2:コロナ660日】
  • 2021/10/19 (Tue) 11:01
    『世界』メールマガジン/2021年11月号 【特集1:反平等─新自由主義日本の病理】【特集2:入管よ、変われ】
  • 2021/09/13 (Mon) 15:00
    『世界』メールマガジン/2021年10月号 【特集1:脱成長――コロナ時代の変革構想】【特集2:東京オリンピック 失敗の本質】
  • 2021/08/05 (Thu) 16:40
    『世界』メールマガジン/2021年9月号 【特集1:企業を変える――気候・人権・SDGs】【特集2:最前線列島――日米安保 70 年】
  • 2021/07/09 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2021年8月号 【特集:サピエンス減少――人類史の折り返し点】
  • 2021/06/10 (Thu) 11:00
    『世界』メールマガジン/2021年7月号 【特集1:スマホとヒトと民主主義】【特集2:さらば、オトコ政治】
  • 2021/05/14 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2021年6月号 【特集1:イベント資本主義――その破局】【特集2:気候変動とエネルギー】
  • 2021/04/15 (Thu) 11:00
    『世界』メールマガジン/2020年5月号 【特集1:人新世とグローバル・コモンズ】 【特集2:貧困と格差の緊急事態】
  • 2021/03/08 (Mon) 11:00
    『世界』メールマガジン/2021年4月号 【特集1:デジタル監視体制】【特集2:社会民主主義という選択肢】
  • 2021/02/12 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2021年3月号 【特集1:21世紀の公害】【特集2:軍事化される琉球弧】
  • 2020/07/09 (Thu) 11:00
    『世界』メールマガジン/2020年8月号 【特集1:グリーン・リカバリー】【特集2:パンデミック後の中国社会】
  • 2020/06/11 (Thu) 17:00
    『世界』メールマガジン/2020年7月号 【特集1:転換点としてのコロナ危機】【特集2:共犯のマスメディア】
  • 2020/05/14 (Thu) 15:00
    『世界』メールマガジン/2020年6月号 【特集1:生存のために――コロナ禍のもとの生活と生命】【特集2:大恐慌とグリーン・ニューディール】
  • 2020/04/08 (Wed) 11:00
    『世界』メールマガジン/2020年5月号 【特集1:コロナショック・ドクトリン】【特集2:デジタル教育の虚実】
  • 2020/03/09 (Mon) 15:00
    『世界』メールマガジン/2020年4月号 【特集:原子力帝国の闇】
  • 2020/02/07 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2020年3月号 【特集1:災害列島改造論】 【特集2:もはや不可避の脱石炭】
  • 2020/01/08 (Wed) 11:00
    『世界』メールマガジン/2020年2月号 【特集1:フィクション化する政治】 【特集2:街頭から再構築する民主主義】
  • 2019/12/17 (Tue) 16:00
    『世界』メールマガジン/2020年1月号 【特集:抵抗の民主主義】
  • 2019/11/11 (Mon) 15:00
    『世界』メールマガジン/2019年12月号 【特集1:気候クライシス】【特集2:難民を追いつめる日本】
  • 2019/10/10 (Thu) 15:00
    『世界』メールマガジン/2019年10月号 【特集1:脱・オトナ目線の教育へ】【特集2:〈ポスト2025〉の生活保障】
  • 2019/09/06 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2019年10月号 【特集1:AI兵器と人類】【特集2:日韓関係の再構築へ】
  • 2019/08/13 (Tue) 11:00
    『世界』メールマガジン/2019年9月号 【特集1:なぜ賃金が上がらないのか】【特集2:アフリカ 人々が変える大陸】
  • 2019/07/12 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2019年8月号 【特集1:争点としての消費税】【特集2:出版の未来構想】
  • 2019/06/10 (Mon) 11:00
    『世界』メールマガジン/2019年7月号 【特集1:原子力産業の終焉】【特集2:中国と民主主義】
  • 2019/05/20 (Mon) 11:00
    『世界』メールマガジン/2019年6月号 【特集:日本型監視社会】
  • 2019/04/10 (Wed) 11:00
    『世界』メールマガジン/2019年5月号 【特集:生きている大学自治】
  • 2019/03/12 (Tue) 11:00
    『世界』メールマガジン/2019年4月号 【特集1:権威主義という罠】 【特集2:民主主義を鍛える地方自治】
  • 2019/02/08 (Fri) 15:00
    『世界』メールマガジン/2019年3月号 【特集:拡大する違憲状況】
  • 2019/01/07 (Mon) 13:00
    『世界』メールマガジン/2019年2月号 【特集1:政治を変革する思想と方法】 【特集2:戦争の記憶と向き合いつづける】
  • 2018/12/10 (Mon) 15:00
    『世界』メールマガジン/2019年1月号 【特集:世論のつくりかた】
  • 2018/11/12 (Mon) 11:00
    『世界』メールマガジン/2018年12月号 【特集1:移民社会への覚悟】 【特集2:米国政治の変化と基層】
  • 2018/10/10 (Wed) 15:00
    『世界』メールマガジン/2018年11月号 【特集1:軍縮――とるべき選択】 【特集2:〈道徳化〉する学校】
  • 2018/09/10 (Mon) 11:00
    『世界』メールマガジン/2018年10月号 【特集1:安全神話,ふたたび】 【特集2:沖縄 持続する意志】
  • 2018/08/09 (Thu) 13:00
    『世界』メールマガジン/2018年9月号 【特集1:人びとの沖縄】【特集2:非核アジアへの構想】
  • 2018/07/08 (Sun) 11:00
    『世界』メールマガジン/2018年8月号 【特集:セクハラ・性暴力を許さない社会へ】
  • 2018/06/08 (Fri) 18:00
    『世界』メールマガジン/2018年7月号 【特集:朝鮮半島の歴史的転換点─日本外交の責任】
  • 2018/05/08 (Tue) 18:00
    『世界』メールマガジン/2018年6月号 【特集:メディア─忖度か対峙か】
  • 2018/04/09 (Mon) 13:00
    『世界』メールマガジン/2018年5月号 【特集:“KAROSHI”を過去の言葉に】【緊急特集:森友問題─“安倍事案”の泥沼】
  • 2017/10/11 (Wed) 11:00
    『世界』メールマガジン/2017年11月号 【特集1:北朝鮮危機】 【特集2:誰のための働き方改革?】
  • 2017/09/08 (Fri) 11:00
    『世界』メールマガジン/2017年10月号【特集:「一強」は崩壊したのか】
  • 2017/08/08 (Tue) 11:00
    『世界』メールマガジン/2017年9月号【特集:報道と権力】
  • 2017/07/12 (Wed) 11:00
    『世界』メールマガジン/2017年8月号【特集:中国の「最前線」はいま――香港返還二〇年】

『世界』メールマガジン/2018年6月号 【特集:メディア─忖度か対峙か】

2018/05/08 (Tue) 18:00
■■---------------------------------------------------------
■■ 『世界』メールマガジン/2018年6月号
■■                  vol.#0036
■■---------------------------------------------------------

=============================================================
■『世界』2018年6月号(第909号)好評発売中
2018年5月8日発行
定価(本体850円+税)
=============================================================

▼本号の目次
特集/世界の潮/注目記事/連載/グラビア/編集後記/
『世界』から生まれた本/イベント情報

┏━━━┓
┃ 特集 ┃メディア──忖度か対峙か
┗━━━╋…────────────────────────────────

〈介入に屈せず〉
表現の自由が向かう先──メディアはこの時代をどう伝えるか
田島泰彦(元上智大学教授)

〈メディアの変化〉
劣化する政権とメディア
望月衣塑子(東京新聞)

〈“Abe TV ”?〉
民放解体を目指した安倍放送改革
原 真(共同通信)

〈探査ジャーナリズム〉
公共圏,アンタゴニズム,そしてジャーナリズム
花田達朗(早稲田大学ジャーナリズム研究所前所長)

〈市民がメディアを支える〉
公共放送を取り戻すための韓国放送人と市民たちの抵抗に学ぶ
岡本有佳(編集者)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〈ゆがめられた教育〉
加計・森友・日報問題の本質と政治・行政の責任──モラルハザード・モラルジレンマと信頼基盤の解体
藤田英典(共栄大学)

〈危険な科目〉
学びの統制と人格の支配──新設科目「公共」に注目して
中嶋哲彦(名古屋大学)

〈先立つものは……〉
候補者の誕生(下)─―候補者と選挙資金
井戸まさえ(元衆議院議員)

〈座談会〉
移民国家・日本のいのちの差別──隠される外国人の労働問題
鳥井一平(移住連)×村山敏(神奈川シティユニオン)×飯田勝泰(東京労働安全衛生センター)×指宿昭一(弁護士)

〈イタリア政治,続く例外状況〉
「五つ星運動」の勝利は何を意味するのか
村上信一郎(神戸市外国語大学名誉教授)

〈隣国の表現の営み〉
記憶を鍛え,表現しつづける──済州島4・3事件から70年の美術
古川美佳(朝鮮美術文化研究者)

〈世界的潮流を知る〉
グリッドガール廃止をめぐるあれこれ──無意識の女性蔑視という罪
伊達軍曹(モータースポーツジャーナリスト)

〈すべて記録すべき?〉
差別とことば──国語辞典で差別語はどうあつかうべきか
ましこ・ひでのり(中京大学)

〈追悼〉
金子兜太のあゆみは永遠に
安西 篤(俳人)

〈立ち上がった六〇代〉
農村の原風景を守る酒造り──新政酒造が地域を醸す
小坂佳子(読売新聞)

〈改憲案批判〉
自民党の四七条改憲案と一票の価値
伊藤 真(弁護士)

〈「押しつけ」説の破綻〉
憲法九条は誰が発案したのか──幣原喜重郎と「平野文書」
笠原十九司(歴史学者)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇世界の潮
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◇ヴィクトル・オルバーンの三選──EUの小国に君臨するポピュリストの実像
花田吉隆

◇東南アジアに広がる権威主義のドミノ
柴田直治

◇荒瀬ダム撤去でみたい川,人,海の環境回復
まさのあつこ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●【新連載】仮想通貨は幻想通貨?(第1回)
ビットコインの概要と仕組み
中島真志(麗澤大学)

●脳力のレッスン【194】特別篇
ジェロントロジーの新たな地平──異次元の高齢化社会に向き合う柔らかい構想力
寺島実郎

●新語解題【第4回】
相対音感──共に生きていくために身につく力
最相葉月(ノンフィクションライター)

●映像世界の冒険者たち【第2回】
廃墟の近傍──王兵
四方田犬彦(比較文学・映画研究家)

●アパレル興亡【第10回】
黒木 亮(作家)

●海の底から【第16回】
金石範(作家)

●私的小豆島名所【その35】
内澤旬子(イラストルポライター)

●トランプのアメリカに住む【第5回】
反転したアメリカンドリーム──労働者階級文化のゆくえ
吉見俊哉(東京大学)

●それぞれの出ウチナー記 海を越えるアイデンティティー【第9話】
――米兵花嫁が支えるアメリカ県人会
三山 喬(ジャーナリスト)

●神を捨て,神になった男 確定死刑囚・袴田巖【第16回】
――「自白した,傷がある,犯人だ」
青柳雄介(ジャーナリスト)

●〈周縁〉の「小さなアメリカ」【第6回】
「非合法移民」という現実──村田勝幸との対話
中村 寛(多摩美術大学)

●中国新建築文化論【第13回】
ラグジュアリーなラフ──上海のコンバージョン建築の潮流
市川紘司(東京藝術大学助手)

●読者投句・岩波俳句
選・文=池田澄子(俳人)

●メディア批評【第126回】
神保太郎(ジャーナリスト)

●原発月報――(18・2~4)
福島原発事故記録チーム

●片山善博の「日本を診る」(103)
議員年金復活論への大いなる違和感
片山善博(早稲田大学)

●世界論壇月評
朱建栄・竹田いさみ・吉田文彦・石郷岡建

●ドキュメント激動の南北朝鮮(250)――(18・3~4)
編集部

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○グラビア
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

○公募作品【166】
Displaced: unknown hardship of Syrian refugees
川畑嘉文(写真家)

○A SHOT OF THE WORLD

○表紙の言葉
鈴木邦弘(写真家)

○表紙写真= 鈴木邦弘 デザイン= 赤崎正一+ 佐野裕哉

○グラビアについて(公募規定)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 森友・加計・日報・財務次官セクハラ問題などで国会が騒然とする
中,野党六党は四月一九日,今年度から廃止された「主要農作物種子
法」を復活させる法案を衆院に共同で提出した.

 「国会崩壊」が言われる中,このような地道な立法活動が行われて
いることは評価できる.法案提出の背景には,「都道府県による種子
生産が後退するとの不安が現場で大きい」ことがあるという.種子法
廃止に対して,各自治体レベルの公共種子事業を守るために,県独自
の条例や要綱で対応する動きや請願書を採択するところもすでに出始
めていた.

 種子法廃止の問題点と影響については,印鑰論考(五月号)を参照
していただきたいが,種子法のもとで支えられてきた種子の多様性が
危うくなるのは大問題だ.

 本号小坂論考には,地域の再生をかけ,土地に適した酒米の作付け
に挑戦する秋田県の中高年の取組みが紹介されている.これからの日
本酒ブームでは杜氏や蔵元だけでなく「酒を生む土地そのもの」がフォ
ーカスされる,そして「農業なくして日本酒は成り立たない」という
認識,日本酒を愛するすべての人が共有できたらと心から願う.その
根幹である「種子の権利」を守ることは大事な闘いである.

 なぜこのことを字数を費やして紹介したかというと,安倍政権下,
私たちの社会や暮らしの基本である公共的領域の基盤が一つひとつ切
り崩されているからだ.水道民営化への道を開くと言われる水道法改
正案も去る三月に閣議決定していた.

 アメリカの運動家・思想家のジェイン・ジェイコブズは,亡くなる
直前の二〇〇六年,「アメリカにおける公共領域の劣化が,この国を
『暗黒時代』に導く」,そしてその暗黒化はもう始まっていると警告
した(本号,吉見氏.なお,森まゆみ氏によるジェイコブズに関する
ドキュメンタリー映画評〔「WEB世界」〕も参照).

 安倍政権はいま,「政権末期的な総崩れ現象」の中にある(本号,
神保氏).嘘に嘘の上塗りのつじつま合わせがついに破綻し決壊した
かのようだ.強調しなければならないのは,嘘の上塗りの元凶はもっ
ぱら安倍首相とその周辺であることだ.公的資源の究極の私物化を進
めるために必要な嘘と忖度,それが官僚を含む周囲を巻き込み,国会
の議論も吹っ飛ばす劣化の暴風となった.

 内閣支持率が急下降する中,九月の自民党総裁選での三選が危うく
なってきたという声も一部に聞かれる.もしそうなった場合も,安倍
政治の「暗黒の五(あるいは六)年」がやっと終わるとただ安堵して
いるわけにはいかない.「負の遺産」からの脱却,法律や経済はじめ
色々な領域で不可逆的とも思えるほどに変えられてしまったものを回
復するには,時間と努力が必要だと思うからだ.「暗黒化」としてジェ
イコブズが挙げた高等教育,科学,政府,専門倫理の劣化なども,こ
わいほどあてはまる.

 もともとヘイトと「外敵の脅威」を煽り,分断した社会を足場に成
り立ってきた政権である.社会の亀裂を直し,公共的領域を立て直す
ための長い闘いが待っているとみなければならない.

 今月の特集は,このところ活気づいているメディアへの咤激励企画
でもある.忖度から脱する,事実を掘り起し報道する,当たり前のこ
との強さを再認識した.

 これら大手メディアはほとんど報じなかったが,公共的領域を取り
戻す小さな,しかし大事な一歩として,「種子法」復活に向けた動き
を位置づけたい.

清宮美稚子(本誌編集長)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~~『世界』から生まれた本~~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◎ひとはなぜ戦争をするのか 脳力のレッスンV
寺島 実郎
定価(本体1700円+税)

http://iwnm.jp/024533

===============================================================

登録情報の編集・解除は,こちらよりお願いいたします.

http://iwnm.jp/MM

---------------------------------------------------------------

□『世界』メールマガジン
〒101-8002 東京都千代田区一ツ橋2-5-5
E-Mail: sekai@iwanami.co.jp
WEB: http://iwnm.jp/sekai
Twitter: https://twitter.com/WEB_SEKAI

◇本誌のご注文はお近くの書店か小社営業部宛てにお願いいたします.
岩波書店営業部読者係(TEL:03-5210-4111,FAX:03-3263-6999)
===============================================================