『世界』メールマガジン/2019年10月号 【特集1:脱・オトナ目線の教育へ】【特集2:〈ポスト2025〉の生活保障】
2019/10/10 (Thu) 15:00
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■■ 『世界』メールマガジン/2019年11月号
■■ vol.#0053
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■『世界』2019年11月号(第926号)好評発売中
2019年10月8日発行
定価(本体850円+税)
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▼本号の目次
特集/世界の潮/注目記事/連載/グラビア/編集後記/
『世界』から生まれた本/「WEB世界」のご案内
┏━━━┓
┃特集1┃脱・オトナ目線の教育へ
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈過大な「学び」〉
「知識詰め込み型」からの転換なのか?――改訂「学習指導要領」が子どもにもたらすもの
大森直樹(東京学芸大学)
〈学校は自分たちがつくる〉
「みんなの学校」はいつでも、どこでもできる!
木村泰子(大空小学校初代校長)
〈教育は国のため?〉
教室から見る「特別の教科 道徳」という問題――人権ベースの教育を
宮澤弘道(公立小学校教員・「道徳の教科化を考える会」代表)
〈誤解と思い込み〉
英語の教科化という迷走――誰のため、何のため?
寺沢拓敬(関西学院大学)
〈何を守るか〉
大阪・教育「改革」とせめぎ合う教育現場の「財産」――子どもに応える教育とは
高田一宏(大阪大学)
〈一人ひとりが主役!〉
子どもたちが「権利」と思える学校とは?――沖縄・珊瑚舎スコーレ「まにまに祭」から
瀬川正仁(ノンフィクションライター)
〈学ぶ権利はいま〉
拡大させられる「教育の機会不均等」――子どもの貧困対策と大学等就学支援法を問う
中嶋哲彦(名古屋大学)
┏━━━┓
┃特集2┃〈ポスト2025〉の生活保障
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈徹底討論〉
二〇一九年版 年金財政検証を読み解く――持続可能な生活保障はありうるのか
野口悠紀雄(早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問)×駒村康平(慶應義塾大学)
〈恐るべき実態〉
パラサイト・シングルのその後――新たなる貧困に備える年金改革へ
四方理人(関西学院大学)
〈不可避の制度改革〉
ロスジェネ世代の年金問題――ジェンダーの視点から
丸山桂(成蹊大学)
〈「自己責任」の罠〉
税について考える、ということ――思考停止の誘惑から逃れるために
栗田隆子(非正規労働者・文筆家)
〈原点は再分配〉
MMTはロスジェネを救うか?――反緊縮と租税抵抗
佐藤滋(東北学院大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈対談〉
AI時代,だけど人と向き合う(上)――九十路に,思うこと,見えたこと
暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)×川嶋みどり(日本赤十字看護大学名誉教授)
〈闘いの背景〉
〈逃亡犯たちの街〉香港の今を歩く――私の取材記
日下部正樹(TBSキャスター)
〈リクナビ問題の本質〉
個人データ保護とは何だったのか――就活支援サイト「内定辞退予測」問題が炙り出すもの
高木浩光(産業技術総合研究所)
〈忘却の起源へ〉
隔たった記憶 日韓歴史認識問題の淵源を探る(下) 朝鮮人虐殺の原体験へ――いくつもの「戦後」を超えて
渡辺延志(ジャーナリスト)
〈不可避の市場閉鎖〉
ゾウの存続を絶たない責任(下)――孤立する日本
坂元雅行(「トラ・ゾウ保護基金」事務局長)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇世界の潮
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇福島第一原発排気筒解体工事――いまだ遠い「収束」
小川慎一(中日新聞)
◇東電刑事裁判「無罪判決」への疑念――明かした事実を反映せず
添田孝史(サイエンスライター)
◇なぜドゥテルテ大統領は支持されるのか――高支持率の背景
石山永一郎(まにら新聞編集長)
◇軍事研究をアカデミズムは拒めるか
池内 了(総合研究大学院大学名誉教授)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●短期連載
橋を架ける――法王フランシスコの旅(上)弱者と「現場」から離れない
植田粧子(共同通信)
●ルポ 保育園株式会社――職業としての保育2【第3回】
流出する委託費の行方
小林美希(ジャーナリスト)
●戦友会狂騒曲(ラプソディ)――おじいさんと若者たちの日々【第4回】
「武勇伝」の裏側
遠藤美幸(神田外語大学)
●慰安婦がいた時代――新資料とともに改めてたどる【第4回】
娘子軍,そして
佐藤 純(大阪経済法科大学 アジア太平洋研究センター)
●日没【第16回】
桐野夏生(作家)
●メディア批評【第143回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●脳力のレッスン【211】
織田信長時代の仏教――キリスト教との邂逅 一七世紀オランダからの視界(その61)
寺島実郎
●片山善博の「日本を診る」【120】
久々にみた忖度との決別――国地方係争処理委員会のまっとうな判断を称える
片山善博(早稲田大学)
●我が総括――体験的戦後メディア史【第11回】
民主党政権への期待,そして失墜
田原総一朗(ジャーナリスト)
●沖縄(シマ)という窓
性暴力を許さない フラワーデモに集う
山城紀子(ジャーナリスト)
●すぐそこにある世界【第8回】
人と本
師岡カリーマ・エルサムニー(文筆家)
●但馬日記【第7回】
斎藤隆夫のまち
平田オリザ(劇作家)
●戦闘機の政治経済史【第4回】
アメリカの圧力で国内開発を断念 F-2の日米共同開発へ
福好昌治(軍事評論家)
●お許しいただければ
「村の祝典」(ミルン)
訳=行方昭夫(英文学者)
●世界論壇月評
朱建栄・竹田いさみ・吉田文彦・石郷岡建
●ドキュメント激動の南北朝鮮【第267回】(19・8~9)
編集部
●原発月報――(19・8~9)
福島原発事故記録チーム
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○グラビア
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○特別招待作品
WTFoot!? 世界の女子サッカー
オリヴィエ・パペグニーズ(写真家),フレデリック・パウウェル(写真家),ジョアンナ・テシエル(写真家)
○ことわざの惑星
金井真紀(イラストレーター)
デザイン= 赤崎正一 + 佐野裕哉
○グラビアについて(公募規定)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○読者投句・岩波俳句
選・文 池田澄子(俳人)
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*読者談話室
*アムネスティ通信
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◇編集後記
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自宅から最寄りの駅まで歩いて十数分の間に,保育園が二つ,公園も二つある.天気のいい日などは子どもたちの元気な声がそこかしこから聞こえ,手をつないだり,カートに乗ったりした子どもたちが,手をふってくれることもあり,そんなときは幸せな気持ちで満たされる.朝刊で読んだあれこれのニュースに曇った心が晴れ上がる.
二つの保育園は,どちらも最近できたもので,ひとつは事業所内保育所,もうひとつは認可保育園なのだが,どちらも園庭はない.小泉政権時代の規制緩和で,付近に公園があれば,園庭がなくても認可されるようになった.そして,どちらも決して広くはないビルの一室に入居している.都市部で子ども一人あたりの面積が国の最低基準を下回ってもよいことになったのは二〇一二年のことだ.
保育分野でも次々に規制緩和が進められてきた.待機児童の解消が大義名分だが,小林美希さんのルポを読んでいると,その看板は,もはや口実にすぎないのではないか,と思えてくる.公的領域を拡大しないという大前提こそ問われなければならないだろう.
保育現場の声から問題意識を研ぎ澄まし,行政機関の資料を情報公開で開示させ,膨大なデータを手作業で集計して分析し,裏付けをとるための取材を積み重ねていく――小林さんのルポは,まさに調査報道そのものである.
反響も大きい.「責任ある立場の行政関係者」が漏らした「株式会社が保育を壊して,壊して,壊しきった」という衝撃的なコメントも,その一つだろう.
経済もうまくいかず,外交も行き詰まり,イライラして隣国へのヘイトに走ったり,五輪だ万博だとイベントに逃避したりしても,展望が開けるはずもない.『週刊東洋経済』(九月二一日号)の充実した特集のストレートなタイトル,「子どもの命を守る」ということに,この社会の基軸を据える時なのではないか.
子どもたちの命と未来を守るのはオトナの責任のはずだが,最近は子どもや若い世代に教わることのほうが多い.
九月二〇日,気候変動をくいとめるためのグローバル・ストライキ.この惑星上の数百万人の子どもたち,高校生や学生たちが未来のために声をあげた.
九月二二日,世界気象機関が,世界の平均気温は最近五年間が観測史上でもっとも暑くなっていると発表した.
そして九月二三日,グテーレス国連事務総長が呼びかけた気候行動サミットが開催された.一六歳のグレタ・トゥーンベリさんの演説の迫力に圧倒された人も多いだろう.私もその一人だ.この九月の数日間は,気候変動が人類の課題として認知される画期となった.
気候変動対策に現政権は後ろ向きである.石炭火力の新設や輸出に積極的なのだから,後ろ向きどころか,逆行に全速力というところだ.いったい私たちオトナは何をしているのだろうと思う(ケストナーの絵本『どうぶつ会議』を思い出す). 今号にも多くの力のこもった論考をお寄せいただいたが,とりわけ特集1で道徳教育を論じた宮澤弘道氏の,現場での実践から編み出された提言には深く共鳴した.もし道徳教育というものに有効性があるとして,それが必要なのは,少なくとも子どもたちではないだろう.加計学園問題で名を馳せた新文部科学大臣が,まず授業を受けてみてはどうか.
気候変動問題については次号で大きく取り上げる予定なので,ご期待ください.
熊谷伸一郎(本誌編集長)
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~~『世界』から生まれた本~~
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◎ひとはなぜ戦争をするのか 脳力のレッスンV
寺島 実郎
定価(本体1700円+税)
http://iwnm.jp/024533
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*WEB版もぜひ、ご覧ください
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定価(本体850円+税)
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特集/世界の潮/注目記事/連載/グラビア/編集後記/
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┃特集1┃脱・オトナ目線の教育へ
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈過大な「学び」〉
「知識詰め込み型」からの転換なのか?――改訂「学習指導要領」が子どもにもたらすもの
大森直樹(東京学芸大学)
〈学校は自分たちがつくる〉
「みんなの学校」はいつでも、どこでもできる!
木村泰子(大空小学校初代校長)
〈教育は国のため?〉
教室から見る「特別の教科 道徳」という問題――人権ベースの教育を
宮澤弘道(公立小学校教員・「道徳の教科化を考える会」代表)
〈誤解と思い込み〉
英語の教科化という迷走――誰のため、何のため?
寺沢拓敬(関西学院大学)
〈何を守るか〉
大阪・教育「改革」とせめぎ合う教育現場の「財産」――子どもに応える教育とは
高田一宏(大阪大学)
〈一人ひとりが主役!〉
子どもたちが「権利」と思える学校とは?――沖縄・珊瑚舎スコーレ「まにまに祭」から
瀬川正仁(ノンフィクションライター)
〈学ぶ権利はいま〉
拡大させられる「教育の機会不均等」――子どもの貧困対策と大学等就学支援法を問う
中嶋哲彦(名古屋大学)
┏━━━┓
┃特集2┃〈ポスト2025〉の生活保障
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〈徹底討論〉
二〇一九年版 年金財政検証を読み解く――持続可能な生活保障はありうるのか
野口悠紀雄(早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問)×駒村康平(慶應義塾大学)
〈恐るべき実態〉
パラサイト・シングルのその後――新たなる貧困に備える年金改革へ
四方理人(関西学院大学)
〈不可避の制度改革〉
ロスジェネ世代の年金問題――ジェンダーの視点から
丸山桂(成蹊大学)
〈「自己責任」の罠〉
税について考える、ということ――思考停止の誘惑から逃れるために
栗田隆子(非正規労働者・文筆家)
〈原点は再分配〉
MMTはロスジェネを救うか?――反緊縮と租税抵抗
佐藤滋(東北学院大学)
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◆注目記事
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〈対談〉
AI時代,だけど人と向き合う(上)――九十路に,思うこと,見えたこと
暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)×川嶋みどり(日本赤十字看護大学名誉教授)
〈闘いの背景〉
〈逃亡犯たちの街〉香港の今を歩く――私の取材記
日下部正樹(TBSキャスター)
〈リクナビ問題の本質〉
個人データ保護とは何だったのか――就活支援サイト「内定辞退予測」問題が炙り出すもの
高木浩光(産業技術総合研究所)
〈忘却の起源へ〉
隔たった記憶 日韓歴史認識問題の淵源を探る(下) 朝鮮人虐殺の原体験へ――いくつもの「戦後」を超えて
渡辺延志(ジャーナリスト)
〈不可避の市場閉鎖〉
ゾウの存続を絶たない責任(下)――孤立する日本
坂元雅行(「トラ・ゾウ保護基金」事務局長)
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◇世界の潮
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◇福島第一原発排気筒解体工事――いまだ遠い「収束」
小川慎一(中日新聞)
◇東電刑事裁判「無罪判決」への疑念――明かした事実を反映せず
添田孝史(サイエンスライター)
◇なぜドゥテルテ大統領は支持されるのか――高支持率の背景
石山永一郎(まにら新聞編集長)
◇軍事研究をアカデミズムは拒めるか
池内 了(総合研究大学院大学名誉教授)
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●連載
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●短期連載
橋を架ける――法王フランシスコの旅(上)弱者と「現場」から離れない
植田粧子(共同通信)
●ルポ 保育園株式会社――職業としての保育2【第3回】
流出する委託費の行方
小林美希(ジャーナリスト)
●戦友会狂騒曲(ラプソディ)――おじいさんと若者たちの日々【第4回】
「武勇伝」の裏側
遠藤美幸(神田外語大学)
●慰安婦がいた時代――新資料とともに改めてたどる【第4回】
娘子軍,そして
佐藤 純(大阪経済法科大学 アジア太平洋研究センター)
●日没【第16回】
桐野夏生(作家)
●メディア批評【第143回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●脳力のレッスン【211】
織田信長時代の仏教――キリスト教との邂逅 一七世紀オランダからの視界(その61)
寺島実郎
●片山善博の「日本を診る」【120】
久々にみた忖度との決別――国地方係争処理委員会のまっとうな判断を称える
片山善博(早稲田大学)
●我が総括――体験的戦後メディア史【第11回】
民主党政権への期待,そして失墜
田原総一朗(ジャーナリスト)
●沖縄(シマ)という窓
性暴力を許さない フラワーデモに集う
山城紀子(ジャーナリスト)
●すぐそこにある世界【第8回】
人と本
師岡カリーマ・エルサムニー(文筆家)
●但馬日記【第7回】
斎藤隆夫のまち
平田オリザ(劇作家)
●戦闘機の政治経済史【第4回】
アメリカの圧力で国内開発を断念 F-2の日米共同開発へ
福好昌治(軍事評論家)
●お許しいただければ
「村の祝典」(ミルン)
訳=行方昭夫(英文学者)
●世界論壇月評
朱建栄・竹田いさみ・吉田文彦・石郷岡建
●ドキュメント激動の南北朝鮮【第267回】(19・8~9)
編集部
●原発月報――(19・8~9)
福島原発事故記録チーム
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○グラビア
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○特別招待作品
WTFoot!? 世界の女子サッカー
オリヴィエ・パペグニーズ(写真家),フレデリック・パウウェル(写真家),ジョアンナ・テシエル(写真家)
○ことわざの惑星
金井真紀(イラストレーター)
デザイン= 赤崎正一 + 佐野裕哉
○グラビアについて(公募規定)
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○読者投句・岩波俳句
選・文 池田澄子(俳人)
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*読者談話室
*アムネスティ通信
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◇編集後記
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自宅から最寄りの駅まで歩いて十数分の間に,保育園が二つ,公園も二つある.天気のいい日などは子どもたちの元気な声がそこかしこから聞こえ,手をつないだり,カートに乗ったりした子どもたちが,手をふってくれることもあり,そんなときは幸せな気持ちで満たされる.朝刊で読んだあれこれのニュースに曇った心が晴れ上がる.
二つの保育園は,どちらも最近できたもので,ひとつは事業所内保育所,もうひとつは認可保育園なのだが,どちらも園庭はない.小泉政権時代の規制緩和で,付近に公園があれば,園庭がなくても認可されるようになった.そして,どちらも決して広くはないビルの一室に入居している.都市部で子ども一人あたりの面積が国の最低基準を下回ってもよいことになったのは二〇一二年のことだ.
保育分野でも次々に規制緩和が進められてきた.待機児童の解消が大義名分だが,小林美希さんのルポを読んでいると,その看板は,もはや口実にすぎないのではないか,と思えてくる.公的領域を拡大しないという大前提こそ問われなければならないだろう.
保育現場の声から問題意識を研ぎ澄まし,行政機関の資料を情報公開で開示させ,膨大なデータを手作業で集計して分析し,裏付けをとるための取材を積み重ねていく――小林さんのルポは,まさに調査報道そのものである.
反響も大きい.「責任ある立場の行政関係者」が漏らした「株式会社が保育を壊して,壊して,壊しきった」という衝撃的なコメントも,その一つだろう.
経済もうまくいかず,外交も行き詰まり,イライラして隣国へのヘイトに走ったり,五輪だ万博だとイベントに逃避したりしても,展望が開けるはずもない.『週刊東洋経済』(九月二一日号)の充実した特集のストレートなタイトル,「子どもの命を守る」ということに,この社会の基軸を据える時なのではないか.
子どもたちの命と未来を守るのはオトナの責任のはずだが,最近は子どもや若い世代に教わることのほうが多い.
九月二〇日,気候変動をくいとめるためのグローバル・ストライキ.この惑星上の数百万人の子どもたち,高校生や学生たちが未来のために声をあげた.
九月二二日,世界気象機関が,世界の平均気温は最近五年間が観測史上でもっとも暑くなっていると発表した.
そして九月二三日,グテーレス国連事務総長が呼びかけた気候行動サミットが開催された.一六歳のグレタ・トゥーンベリさんの演説の迫力に圧倒された人も多いだろう.私もその一人だ.この九月の数日間は,気候変動が人類の課題として認知される画期となった.
気候変動対策に現政権は後ろ向きである.石炭火力の新設や輸出に積極的なのだから,後ろ向きどころか,逆行に全速力というところだ.いったい私たちオトナは何をしているのだろうと思う(ケストナーの絵本『どうぶつ会議』を思い出す). 今号にも多くの力のこもった論考をお寄せいただいたが,とりわけ特集1で道徳教育を論じた宮澤弘道氏の,現場での実践から編み出された提言には深く共鳴した.もし道徳教育というものに有効性があるとして,それが必要なのは,少なくとも子どもたちではないだろう.加計学園問題で名を馳せた新文部科学大臣が,まず授業を受けてみてはどうか.
気候変動問題については次号で大きく取り上げる予定なので,ご期待ください.
熊谷伸一郎(本誌編集長)
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