『世界』メールマガジン/2020年4月号 【特集:原子力帝国の闇】
2020/03/09 (Mon) 15:00
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■■ 『世界』メールマガジン/2020年4月号
■■ vol.#0058
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■『世界』2020年4月号(第931号)好評発売中
2020年3月6日発行
定価(本体850円+税)
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▼本号の目次
特集/注目記事/世界の潮/Sekai Review of Books/連載/グラビア/編集後記/『世界』から生まれた本/「WEB世界」のご案内
┏━━━┓
┃特 集┃原子力帝国の闇
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈調査報道〉
追及・関西電力――暴かれつつある帝国の内幕
共同通信取材班
〈告発〉
原子力ムラの癒着と不正――その責任を問う
海渡雄一(弁護士)
〈インタビュー〉
関西電力との50年闘争
中嶌哲演(僧侶)
〈巨悪の片鱗〉
ある「反原発つぶし」の足跡を追う――電通社員だった父の記憶をたどって
木村英昭(ジャーナリスト)
〈変革の方向〉
脱原子力・脱炭素社会への転換――電力会社の軛を超え、地域から変革を
長谷川公一(東北大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈短期集中連載〉
復興予算26兆円の行方(上)――人ではなくハコモノへ
古川美穂(ジャーナリスト)
〈主役は子ども〉
福島の教育と「復興」――「光」だけではなく、「影」に向き合ってこそ
中村 晋(福島県・高校教諭)
〈立ち止まって検証を〉
東京湾岸開発は安全なのか――軽視される埋立地の防災対策
濱田政則(早稲田大学名誉教授)
〈『孤塁』のメッセージ〉
○消防とは何か? 原発事故の経験から考える――双葉郡消防士が語る3・11
渡邉敏行(元・双葉消防本部消防士)
○危機には消防士が守られてこそ――『孤塁』刊行、その後
吉田千亜(フリーライター)
〈理想を語る言葉を!〉
世界は野党を待っている
高橋純子(朝日新聞)
〈山本太郎さんへ〉
もし君が首相になりたいと言うならば
金子 勝(立教大学特任教授)
〈インタビュー〉
いま私たちは何をなすべきか――システム変革への実践のために
宮本憲一(大阪市立大学名誉教授)
〈謬論の系譜〉
温暖化懐疑論リテラシー――解毒剤として
丸山正次(山梨学院大学)
〈まず聞くべき声〉
「なぜ私を認めてくれない」――元「徴用工」・李春植は語る
中村一成(ジャーナリスト)
〈対談〉
在日朝鮮人の人権保障を求め続けて ――人として当たり前のことを、無手勝流に
田中 宏(一橋大学名誉教授)・辛淑玉(人材育成コンサルタント)
〈講演録〉
アウシュヴィッツ=ビルケナウ財団10周年記念式典にあたって
アンゲラ・メルケル(ドイツ首相)、訳・解説=三島憲一(大阪大学名誉教授)
〈対談〉
地域のリアルを可視化する――映画『子どもたちをよろしく』の射程
寺脇 研×前川喜平
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇世界の潮
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇シリア・トルコ直接交戦勃発――停戦破綻の力学
間 寧
◇イギリス市民の選択――コービン労働党敗北の背景
近藤康史
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇SEKAI Review of Books
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆自衛隊「南西シフト」とヤポネシア論
渡辺 豪(ジャーナリスト)
☆読書の要諦――サイエンス 科学不信、「ノモス」の零落
植木不等式(サイエンスライター)
☆開発主義の遺産と新しい政策の失敗――金敬哲著『韓国 行き過ぎた資本主義』
安周永(龍谷大学)
☆データ選挙の実態と虚像――ブリタニー・カイザー著『告発』
湯淺墾道(情報セキュリティ大学院大学)
☆読書会という幸福〈第4回〉
読書会の作法
向井和美(翻訳家、司書)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●〈最終回〉
ルポ 労組破壊――「関西生コン事件」とは何か(下)
「影の主役」としてのメディア
竹信三恵子(ジャーナリスト)
◇好評連載◇-----------------
●慰安婦がいた時代――新資料とともに改めてたどる【第7回】
蹂躙 軍紀の名の下に
佐藤 純(大阪経済法科大学 アジア太平洋研究センター)
●プリズン・サークル【第4回】
隠すことより明かすこと
坂上 香(ジャーナリスト、映画監督)
●花粉症と人類【第4講】
花粉症ビジネスとブタクサの逆襲
小塩海平(東京農業大学)
-------------------------------------
●メディア批評【第148回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●脳力のレッスン【216】
現代日本人の心の所在地――希薄な宗教性がもたらすもの
寺島実郎
●片山善博の「日本を診る」【125】
でたらめな行政事件訴訟を正す――ふるさと納税をめぐる大阪高裁判決の問題
片山善博(早稲田大学)
●ルポ 保育園株式会社【第7回】
手厚い保育を守るために
小林美希(ジャーナリスト)
●いま、この惑星で起きていること【第4回】
前代未聞の異常な気象
森さやか(気象予報士)
●移民奔流【第4回】
多重暴力を逃れて
工藤律子(ジャーナリスト)
●但馬日記【第12回】
江原河畔劇場が町にもたらすもの
平田オリザ(劇作家)
●すぐそこにある世界【第13回】
彼女の素顔は誰も知らない
師岡カリーマ・エルサムニー(文筆家)
●沖縄(シマ)という窓
ご都合主義の果てに 破綻へ向かう新基地
松元 剛(ジャーナリスト)
●お許しいただければ
「自分自身で考える」(ガードナー)
訳=行方昭夫(英文学者)
●原発月報――(20・1~2)
福島原発事故記録チーム
●ドキュメント激動の南北朝鮮【272】(20・1~2)
編集部
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○グラビア
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○公募作品179
Naryn Suu――ナリンの水
林 典子(フォトジャーナリスト)
○ことわざの惑星
金井真紀(イラストレーター)
デザイン= 赤崎正一 + 佐野裕哉
○グラビアについて
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○読者投句・岩波俳句
選・文 池田澄子(俳人)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*読者談話室
*アムネスティ通信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇編集後記
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花粉症の季節が到来いたしました。好評連載の小塩海平「花粉症と人類」、今回の米国・ブタクサの「秋カタル」をめぐる知見も、むず痒い思いをしつつ、興味深く読みましたが、次号はいよいよスギ花粉とのこと、楽しみです。
私が花粉症を自覚した契機は、二〇一一年三月一一日。くしゃみ等で仕事にならず、風邪に違いないと午前中で早退し、八王子の自宅に着く頃に揺れに襲われたのでした。後にあれは花粉症と気づいたわけですが、そのおかげで「帰宅難民」にならずに済んだとも言えます。
その3・11から九年。今号で吉田千亜さんも書かれていますが、新型コロナウイルスをめぐる一連の報道、防護服、そして多くの人たちがマスクをする光景からも、異常な出来事が連続した九年前の日々を、いやでも思い出します。
そうした思いが今年、ひときわ強いのは、書籍化された『孤塁』を読んだためでもあります。大震災と原発事故という複合災害に孤立無援で向き合うという、消防士たちの極限状況。当時の心理状況が思い起こされ、繰り返し絶句ならぬ絶読しつつ読みました。
二月一五日の『孤塁』書籍化記念のトークイベントでは、いつも編集部にお便りを下さっているKさんほか、本誌の愛読者の方々ともお会いでき、幸いでした。会場では定期購読のお申し込みも多く頂きました。ありがたい限りです。
今号で紹介した渡邉敏行さんのお話には胸をつかれました。その責任感と良識に、このような方たちが社会を支えているのだと腹の底から実感しました。
『孤塁』はおかげさまで順調に刷りを重ねています。二月には同じく本誌連載をまとめた金石範『海の底から』、黒木亮『アパレル興亡』も刊行されました。書店で手にとっていただければ幸いです。
さて、3・11を経てなお、電力会社も政府も、原発再稼働を諦めません。その異常ぶりが背景にあって、関西電力のような腐敗と退廃はあるのだと、今号の特集を編んでいて痛感しています。
しかし、いかに原子力ムラへの反発が強いからといって、気候変動問題が「原子力業界によるでっちあげ」というような陰謀論もまた無茶な話です。
山本太郎さんの政治活動ですばらしいと思う点は、いくつもあります。問題の起きている現地に赴いて調査すること。市民との積極的な対話。そして、劣化するばかりの政権に対する厳しい追及――しかし、違和感を払拭できない点がいくつかあり、その筆頭が、金子勝氏の指摘されている気候変動問題への姿勢です。
山本さんは街頭演説などでも、「放射能とCO2と、どっちが怖いですか」と発言されていますが、どちらも科学的認識に基づいて対処すべき喫緊の課題であり、長谷川公一氏が書くように、原発事故を体験した私たちだからこそ、「脱原子力・脱炭素社会への転換」を旗幟鮮明にして追求すべきなのではないでしょうか。気候変動問題はきわめて深刻であり、種としての私たちの生存にかかわります。「寄り道」できる余裕はありません。
本誌グラビアは、二〇〇二年四月号から一八年間にわたり公募作品を掲載してきましたが、近年、応募数が著しく減少してしまいました。今後は折に触れ、紹介すべき写真と出会えた時にグラビアページを作る形といたします。今号、最後の公募作品として林典子さんの、現在のこの惑星の姿を活写したすばらしい写真を掲載できたことは、何よりの喜びです。
熊谷伸一郎(本誌編集長)
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~~『世界』から生まれた本~~
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◎ひとはなぜ戦争をするのか 脳力のレッスンV
寺島 実郎
定価(本体1700円+税)
http://iwnm.jp/024533
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~~「WEB世界」のご案内~~
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雑誌『世界』のWEB版もぜひ、ご覧ください
https://tanemaki.iwanami.co.jp/
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■『世界』2020年4月号(第931号)好評発売中
2020年3月6日発行
定価(本体850円+税)
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▼本号の目次
特集/注目記事/世界の潮/Sekai Review of Books/連載/グラビア/編集後記/『世界』から生まれた本/「WEB世界」のご案内
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┃特 集┃原子力帝国の闇
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〈調査報道〉
追及・関西電力――暴かれつつある帝国の内幕
共同通信取材班
〈告発〉
原子力ムラの癒着と不正――その責任を問う
海渡雄一(弁護士)
〈インタビュー〉
関西電力との50年闘争
中嶌哲演(僧侶)
〈巨悪の片鱗〉
ある「反原発つぶし」の足跡を追う――電通社員だった父の記憶をたどって
木村英昭(ジャーナリスト)
〈変革の方向〉
脱原子力・脱炭素社会への転換――電力会社の軛を超え、地域から変革を
長谷川公一(東北大学)
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◆注目記事
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〈短期集中連載〉
復興予算26兆円の行方(上)――人ではなくハコモノへ
古川美穂(ジャーナリスト)
〈主役は子ども〉
福島の教育と「復興」――「光」だけではなく、「影」に向き合ってこそ
中村 晋(福島県・高校教諭)
〈立ち止まって検証を〉
東京湾岸開発は安全なのか――軽視される埋立地の防災対策
濱田政則(早稲田大学名誉教授)
〈『孤塁』のメッセージ〉
○消防とは何か? 原発事故の経験から考える――双葉郡消防士が語る3・11
渡邉敏行(元・双葉消防本部消防士)
○危機には消防士が守られてこそ――『孤塁』刊行、その後
吉田千亜(フリーライター)
〈理想を語る言葉を!〉
世界は野党を待っている
高橋純子(朝日新聞)
〈山本太郎さんへ〉
もし君が首相になりたいと言うならば
金子 勝(立教大学特任教授)
〈インタビュー〉
いま私たちは何をなすべきか――システム変革への実践のために
宮本憲一(大阪市立大学名誉教授)
〈謬論の系譜〉
温暖化懐疑論リテラシー――解毒剤として
丸山正次(山梨学院大学)
〈まず聞くべき声〉
「なぜ私を認めてくれない」――元「徴用工」・李春植は語る
中村一成(ジャーナリスト)
〈対談〉
在日朝鮮人の人権保障を求め続けて ――人として当たり前のことを、無手勝流に
田中 宏(一橋大学名誉教授)・辛淑玉(人材育成コンサルタント)
〈講演録〉
アウシュヴィッツ=ビルケナウ財団10周年記念式典にあたって
アンゲラ・メルケル(ドイツ首相)、訳・解説=三島憲一(大阪大学名誉教授)
〈対談〉
地域のリアルを可視化する――映画『子どもたちをよろしく』の射程
寺脇 研×前川喜平
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◇世界の潮
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◇シリア・トルコ直接交戦勃発――停戦破綻の力学
間 寧
◇イギリス市民の選択――コービン労働党敗北の背景
近藤康史
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◇SEKAI Review of Books
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☆自衛隊「南西シフト」とヤポネシア論
渡辺 豪(ジャーナリスト)
☆読書の要諦――サイエンス 科学不信、「ノモス」の零落
植木不等式(サイエンスライター)
☆開発主義の遺産と新しい政策の失敗――金敬哲著『韓国 行き過ぎた資本主義』
安周永(龍谷大学)
☆データ選挙の実態と虚像――ブリタニー・カイザー著『告発』
湯淺墾道(情報セキュリティ大学院大学)
☆読書会という幸福〈第4回〉
読書会の作法
向井和美(翻訳家、司書)
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●連載
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●〈最終回〉
ルポ 労組破壊――「関西生コン事件」とは何か(下)
「影の主役」としてのメディア
竹信三恵子(ジャーナリスト)
◇好評連載◇-----------------
●慰安婦がいた時代――新資料とともに改めてたどる【第7回】
蹂躙 軍紀の名の下に
佐藤 純(大阪経済法科大学 アジア太平洋研究センター)
●プリズン・サークル【第4回】
隠すことより明かすこと
坂上 香(ジャーナリスト、映画監督)
●花粉症と人類【第4講】
花粉症ビジネスとブタクサの逆襲
小塩海平(東京農業大学)
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●メディア批評【第148回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●脳力のレッスン【216】
現代日本人の心の所在地――希薄な宗教性がもたらすもの
寺島実郎
●片山善博の「日本を診る」【125】
でたらめな行政事件訴訟を正す――ふるさと納税をめぐる大阪高裁判決の問題
片山善博(早稲田大学)
●ルポ 保育園株式会社【第7回】
手厚い保育を守るために
小林美希(ジャーナリスト)
●いま、この惑星で起きていること【第4回】
前代未聞の異常な気象
森さやか(気象予報士)
●移民奔流【第4回】
多重暴力を逃れて
工藤律子(ジャーナリスト)
●但馬日記【第12回】
江原河畔劇場が町にもたらすもの
平田オリザ(劇作家)
●すぐそこにある世界【第13回】
彼女の素顔は誰も知らない
師岡カリーマ・エルサムニー(文筆家)
●沖縄(シマ)という窓
ご都合主義の果てに 破綻へ向かう新基地
松元 剛(ジャーナリスト)
●お許しいただければ
「自分自身で考える」(ガードナー)
訳=行方昭夫(英文学者)
●原発月報――(20・1~2)
福島原発事故記録チーム
●ドキュメント激動の南北朝鮮【272】(20・1~2)
編集部
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○グラビア
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○公募作品179
Naryn Suu――ナリンの水
林 典子(フォトジャーナリスト)
○ことわざの惑星
金井真紀(イラストレーター)
デザイン= 赤崎正一 + 佐野裕哉
○グラビアについて
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○読者投句・岩波俳句
選・文 池田澄子(俳人)
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*読者談話室
*アムネスティ通信
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◇編集後記
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花粉症の季節が到来いたしました。好評連載の小塩海平「花粉症と人類」、今回の米国・ブタクサの「秋カタル」をめぐる知見も、むず痒い思いをしつつ、興味深く読みましたが、次号はいよいよスギ花粉とのこと、楽しみです。
私が花粉症を自覚した契機は、二〇一一年三月一一日。くしゃみ等で仕事にならず、風邪に違いないと午前中で早退し、八王子の自宅に着く頃に揺れに襲われたのでした。後にあれは花粉症と気づいたわけですが、そのおかげで「帰宅難民」にならずに済んだとも言えます。
その3・11から九年。今号で吉田千亜さんも書かれていますが、新型コロナウイルスをめぐる一連の報道、防護服、そして多くの人たちがマスクをする光景からも、異常な出来事が連続した九年前の日々を、いやでも思い出します。
そうした思いが今年、ひときわ強いのは、書籍化された『孤塁』を読んだためでもあります。大震災と原発事故という複合災害に孤立無援で向き合うという、消防士たちの極限状況。当時の心理状況が思い起こされ、繰り返し絶句ならぬ絶読しつつ読みました。
二月一五日の『孤塁』書籍化記念のトークイベントでは、いつも編集部にお便りを下さっているKさんほか、本誌の愛読者の方々ともお会いでき、幸いでした。会場では定期購読のお申し込みも多く頂きました。ありがたい限りです。
今号で紹介した渡邉敏行さんのお話には胸をつかれました。その責任感と良識に、このような方たちが社会を支えているのだと腹の底から実感しました。
『孤塁』はおかげさまで順調に刷りを重ねています。二月には同じく本誌連載をまとめた金石範『海の底から』、黒木亮『アパレル興亡』も刊行されました。書店で手にとっていただければ幸いです。
さて、3・11を経てなお、電力会社も政府も、原発再稼働を諦めません。その異常ぶりが背景にあって、関西電力のような腐敗と退廃はあるのだと、今号の特集を編んでいて痛感しています。
しかし、いかに原子力ムラへの反発が強いからといって、気候変動問題が「原子力業界によるでっちあげ」というような陰謀論もまた無茶な話です。
山本太郎さんの政治活動ですばらしいと思う点は、いくつもあります。問題の起きている現地に赴いて調査すること。市民との積極的な対話。そして、劣化するばかりの政権に対する厳しい追及――しかし、違和感を払拭できない点がいくつかあり、その筆頭が、金子勝氏の指摘されている気候変動問題への姿勢です。
山本さんは街頭演説などでも、「放射能とCO2と、どっちが怖いですか」と発言されていますが、どちらも科学的認識に基づいて対処すべき喫緊の課題であり、長谷川公一氏が書くように、原発事故を体験した私たちだからこそ、「脱原子力・脱炭素社会への転換」を旗幟鮮明にして追求すべきなのではないでしょうか。気候変動問題はきわめて深刻であり、種としての私たちの生存にかかわります。「寄り道」できる余裕はありません。
本誌グラビアは、二〇〇二年四月号から一八年間にわたり公募作品を掲載してきましたが、近年、応募数が著しく減少してしまいました。今後は折に触れ、紹介すべき写真と出会えた時にグラビアページを作る形といたします。今号、最後の公募作品として林典子さんの、現在のこの惑星の姿を活写したすばらしい写真を掲載できたことは、何よりの喜びです。
熊谷伸一郎(本誌編集長)
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~~『世界』から生まれた本~~
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寺島 実郎
定価(本体1700円+税)
http://iwnm.jp/024533
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E-Mail: sekai@iwanami.co.jp
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Twitter: https://twitter.com/WEB_SEKAI
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岩波書店営業部読者係(TEL:03-5210-4111,FAX:03-3263-6999)
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