『世界』メールマガジン/2022年1月号 【特集1:ケアーー人を支え、社会を変える】【特集2:気候危機と民主主義――COP26からの出発】
2021/12/10 (Fri) 15:45
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■■ 『世界』メールマガジン/2022年1月号
■■ vol.#0079
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■『世界』2022年1月号(第952号)好評発売中
2021年12月8日発行
定価935円(税込)
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▼本号の目次
特集/注目記事/世界の潮/SEKAI Review of Books/連載/編集後記/『世界』から生まれた本/「WEB世界」のご案内
┏━━━┓
┃特集1┃ケアーー人を支え、社会を変える
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈総論〉
ケア/ジェンダー/民主主義
岡野八代(同志社大学)
〈子どもたちの目線から〉
ケアから社会を組み立てる
村上靖彦(大阪大学)
〈戦略特区の欺瞞〉
グローバルなケアの《分断》――移住女性の犠牲と先進国共働き家庭
定松 文(恵泉女学園大学)
〈パンデミックとケア〉
保育問題を無視してきた政治家たち
エミリー・ぺック(ジャーナリスト)、訳=加藤しをり
┏━━━┓
┃特集2┃気候危機と民主主義――COP26からの出発
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈失敗か、前進か〉
世界は1.5℃目標をめざす
高村ゆかり(東京大学)
〈報告〉
COP26はどこまで到達したか?
小西雅子(WWFジャパン)
〈気候市民会議〉
気候民主主義へ――地域発・若者発の転換
三上直之(北海道大学)
〈逸脱の検証〉
原発は気候変動対策に使えるか?
松久保 肇(原子力資料情報室)
〈変革へ〉
複合危機とエネルギーの未来
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈恐るべき現実〉
スマホ位置情報の「一網打尽」捜査――「ジオフェンス令状」の正体
指宿 信(成城大学)
〈社会の課題〉
脆くない社会へ――優生思想との訣別と障害者の権利
藤井克徳(日本障害者協議会)
〈座談会〉
危急のメディアーー何が問題か、どう変えるか
田島泰彦(元上智大学教授)、工藤信一(信濃毎日新聞)、浮田 哲(羽衣国際大学)
〈脳力のレッスン・特別篇〉
「新しい資本主義」への視界を拓く――日本経済・産業再生への筋道(下の2)
寺島実郎
《選挙結果分析》
〇野党共闘をアップデートせよ………中野晃一(上智大学)
〇野党共闘は不発だったのか………菅原 琢(政治学者)
〈朝鮮半島と新政権〉
日本外交の危機か、われわれの危機か
和田春樹(東京大学名誉教授)
〈事件の総括〉
共振する日米の歴史修正主義――ラムザイヤー論文という事件(上)
米山リサ(トロント大学)×板垣竜太(同志社大学)
〈現地はいま〉
人と自然、人と人との和解へ――アフガニスタン政変と中村哲医師の願い
村上 優(ペシャワール会会長)
〈続く脅迫〉
ネグロスからの手紙――虐殺と弾圧の島で(特別篇・中) 二人、小部屋に身を潜め
クラリッサ・シングソン(人権アクティビスト)、訳・構成=木村英昭・勅使川原香世子
〈「隣人」の記憶と向き合う〉
世界最大の分散型記念碑――グンター・デムニッヒと仲間たちの「つまずきの石」(前編)
中村真人(フリーライター)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇世界の潮
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇スーダンのクーデターー市民の力を見誤った軍部
栗田禎子
◇AUKUS オーストラリア外交と社会の大転換か
杉田弘也
◇極超音速ミサイルの衝撃――宇宙核戦争に勝者はいるか
藤岡 惇
◇山梨大学元教員諭旨解雇訴訟――ガバナンス改革と「学問の自由」の危機
石原 俊
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇SEKAI Review of Books
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇【短評】映画『ユダヤ人の私』は語る――記憶のデモクラシー
水野博子(明治大学)
◇【連載】本とチェック 第4回 人生の師、金石範先生
金承福(「クオン」代表)
◇新刊紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
----〈短期集中連載〉----------
● 「赤木ファイル」を読む(上)――良心の叫びと「悪」の構造
金平茂紀(ジャーナリスト)
●パンドラ文書を解読する(下)
奥山俊宏(朝日新聞)、畑宗太郎(朝日新聞)
----〈新連載〉----------
●デジタル・デモクラシー ーービッグ・テックとの闘い【第1回】
〈わたしの顔〉を取り戻せ!
内田聖子(PARC)
----〈好評連載〉----------
●いま、この惑星で起きていること【第25回】
人工衛星が見た地球の劣化
森さやか(気象予報士)
●亡所考【第13回】
草刈りからみえる忘却
北條勝貴(上智大学)
----------------------------
●メディア批評【第169回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●片山善博の「日本を診る」【146】
厚労省職員が国会議員の挨拶文を作成していたことの意味を問う
片山善博(早稲田大学)
●但馬日記【第32回】
文化が流す汗が、軽んじられてはいないか
平田オリザ(劇作家)
●沖縄(シマ)という窓
――有銘政夫のこと………親川志奈子(沖縄大学非常勤講師)
――「オール沖縄」退潮――戦略見直しが急務に………松元 剛(琉球新報)
●原発月報(21・10~11)
福島原発事故記録チーム
●ドキュメント激動の南北朝鮮(293) (21・10~11)
編集部
●民話採光
阿部海太(絵描き・絵本描き)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○読者投句・岩波俳句
選・文=池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○読者談話室
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○表紙写真
ドライフラワーで作られた服を着る女性。世界的な園芸の祭典「チェルシーフラワーショー」にて。
英ロンドン。2021年9月20日。ロイター=共同
○デザイン
赤崎正一 + 佐野裕哉 (協力=国府台さくら)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新年号となる今号、多くの新連載が始まります。
表紙をめくって最初に目にしていただく「扉」では、各地の民話から輝きを採った鮮やかな油彩画を絵本作家の阿部海太さんが描きます。本文始まりのページに阿部さんのエッセイもありますので見落とされませんよう。
これまで折りに触れ、TPPなどのメガ貿易協定、民営化、戦略特区やスーパーシティなど、すぐれて現在的なテーマを本誌で継続的に報告してきた内田聖子さんが、社会への支配力を強めるGAFAなどビッグ・テックと市民社会のせめぎあいを報告します。
われわれの公有財産を、時の首相と政治心情を共有する「教育」団体に破格の値段で売り渡す。これだけでも大変な不祥事ですが、さらに悪事の露見を防ぐために公文書を改竄し、抵抗する公務員の心を折り、死に追いやった――この森友事件をめぐって、TBS報道特集で活躍するジャーナリストの金平茂紀さんの調査報道を掲載します。
コミュニティの加害の記憶を街路に埋め込む戦後ドイツの取組みのルポを中村真人さんに寄せてもらい、それと対照的な日本の歴史修正主義の様相を米山リサさんと板垣竜太さんの対談で共に考えたいと思います。どちらも上下連載です。
連載に限らず、二〇二二年も多様な話題を提供していきたいと思います。とりわけ、環境と生活の持続可能性が最重要のテーマです。今号ではそれぞれの象徴的なトピックを二つの特集として編みました。
最近、ショックを受けているのは、パンデミックのさなかにおいてすら、あまり二酸化炭素の排出量が減らなかったという事実です(今号、飯田哲也論文)。飛行機もとばず、クルマもヒトも街路から消えた時期がありました。そして友人たちとの飲み会ほか、あらゆる楽しみを自粛するほどの行動変容を経て、なお一割も減らなかった。COP26で掲げられた二〇五〇年ゼロという目標、それに向けた二〇三〇年に半減という到達がいかに困難か、気が遠くなる思いがします。アンモニアや炭素貯留などの寄り道、原発活用という邪道(今号、松久保論文)に迷い込んでいる余裕はないという思いを強くします。
今年はまた、沖縄「本土復帰」から五〇年という節目でもあります。今号「沖縄という窓」は前号休載となった親川志奈子さんの記事と松元剛さんの二本を掲載しました。戦後沖縄の苦難と抵抗の歴史を体現した有銘正夫さんの生き様と、「オール沖縄」の現在の課題と、どちらも思索と実践のためのテキストとして読んでほしい内容です。
昨年(二〇二一年)、本誌は販売面でも比較的順調に推移いたしました。心より感謝申し上げます。最後に、今号の読者談話室でもリクエストを頂戴しましたが、今年こそは本誌編集部として読者と交流していく場を設けたいところです。まずは、執筆者の方を招いてオンラインで開催することを予定しています。次号誌面などで告知していきますので、ご期待ください。
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~~『世界』から生まれた本~~
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◎分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議
河合香織
定価1,980円
http://iwnm.jp/061466
クラスター対策に3密回避。専門家たちの議論と葛藤を、政権や行政も含め関係者の証言で描くノンフィクション。
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~~「WEB世界」のご案内~~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
雑誌『世界』のWEB版もぜひ、ご覧ください
https://tanemaki.iwanami.co.jp/
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◇「webいわなみ たねをまく」(岩波書店のウェブマガジン)
https://tanemaki.iwanami.co.jp/
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登録情報の編集・解除は,こちらよりお願いいたします.
http://iwnm.jp/MM
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□『世界』メールマガジン
〒101-8002 東京都千代田区一ツ橋2-5-5
E-Mail: sekai@iwanami.co.jp
WEB: http://iwnm.jp/sekai
Twitter: https://twitter.com/WEB_SEKAI
◇本誌のご注文はお近くの書店か小社営業部宛てにお願いいたします.
岩波書店営業部読者係(TEL:03-5210-4111,FAX:03-3263-6999)
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■『世界』2022年1月号(第952号)好評発売中
2021年12月8日発行
定価935円(税込)
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┃特集1┃ケアーー人を支え、社会を変える
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〈総論〉
ケア/ジェンダー/民主主義
岡野八代(同志社大学)
〈子どもたちの目線から〉
ケアから社会を組み立てる
村上靖彦(大阪大学)
〈戦略特区の欺瞞〉
グローバルなケアの《分断》――移住女性の犠牲と先進国共働き家庭
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〈パンデミックとケア〉
保育問題を無視してきた政治家たち
エミリー・ぺック(ジャーナリスト)、訳=加藤しをり
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┗━━━╋…────────────────────────────────
〈失敗か、前進か〉
世界は1.5℃目標をめざす
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COP26はどこまで到達したか?
小西雅子(WWFジャパン)
〈気候市民会議〉
気候民主主義へ――地域発・若者発の転換
三上直之(北海道大学)
〈逸脱の検証〉
原発は気候変動対策に使えるか?
松久保 肇(原子力資料情報室)
〈変革へ〉
複合危機とエネルギーの未来
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所)
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◆注目記事
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〈恐るべき現実〉
スマホ位置情報の「一網打尽」捜査――「ジオフェンス令状」の正体
指宿 信(成城大学)
〈社会の課題〉
脆くない社会へ――優生思想との訣別と障害者の権利
藤井克徳(日本障害者協議会)
〈座談会〉
危急のメディアーー何が問題か、どう変えるか
田島泰彦(元上智大学教授)、工藤信一(信濃毎日新聞)、浮田 哲(羽衣国際大学)
〈脳力のレッスン・特別篇〉
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〇野党共闘をアップデートせよ………中野晃一(上智大学)
〇野党共闘は不発だったのか………菅原 琢(政治学者)
〈朝鮮半島と新政権〉
日本外交の危機か、われわれの危機か
和田春樹(東京大学名誉教授)
〈事件の総括〉
共振する日米の歴史修正主義――ラムザイヤー論文という事件(上)
米山リサ(トロント大学)×板垣竜太(同志社大学)
〈現地はいま〉
人と自然、人と人との和解へ――アフガニスタン政変と中村哲医師の願い
村上 優(ペシャワール会会長)
〈続く脅迫〉
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クラリッサ・シングソン(人権アクティビスト)、訳・構成=木村英昭・勅使川原香世子
〈「隣人」の記憶と向き合う〉
世界最大の分散型記念碑――グンター・デムニッヒと仲間たちの「つまずきの石」(前編)
中村真人(フリーライター)
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◇世界の潮
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◇スーダンのクーデターー市民の力を見誤った軍部
栗田禎子
◇AUKUS オーストラリア外交と社会の大転換か
杉田弘也
◇極超音速ミサイルの衝撃――宇宙核戦争に勝者はいるか
藤岡 惇
◇山梨大学元教員諭旨解雇訴訟――ガバナンス改革と「学問の自由」の危機
石原 俊
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◇SEKAI Review of Books
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◇【短評】映画『ユダヤ人の私』は語る――記憶のデモクラシー
水野博子(明治大学)
◇【連載】本とチェック 第4回 人生の師、金石範先生
金承福(「クオン」代表)
◇新刊紹介
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●連載
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----〈短期集中連載〉----------
● 「赤木ファイル」を読む(上)――良心の叫びと「悪」の構造
金平茂紀(ジャーナリスト)
●パンドラ文書を解読する(下)
奥山俊宏(朝日新聞)、畑宗太郎(朝日新聞)
----〈新連載〉----------
●デジタル・デモクラシー ーービッグ・テックとの闘い【第1回】
〈わたしの顔〉を取り戻せ!
内田聖子(PARC)
----〈好評連載〉----------
●いま、この惑星で起きていること【第25回】
人工衛星が見た地球の劣化
森さやか(気象予報士)
●亡所考【第13回】
草刈りからみえる忘却
北條勝貴(上智大学)
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●メディア批評【第169回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●片山善博の「日本を診る」【146】
厚労省職員が国会議員の挨拶文を作成していたことの意味を問う
片山善博(早稲田大学)
●但馬日記【第32回】
文化が流す汗が、軽んじられてはいないか
平田オリザ(劇作家)
●沖縄(シマ)という窓
――有銘政夫のこと………親川志奈子(沖縄大学非常勤講師)
――「オール沖縄」退潮――戦略見直しが急務に………松元 剛(琉球新報)
●原発月報(21・10~11)
福島原発事故記録チーム
●ドキュメント激動の南北朝鮮(293) (21・10~11)
編集部
●民話採光
阿部海太(絵描き・絵本描き)
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○読者投句・岩波俳句
選・文=池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○読者談話室
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○表紙写真
ドライフラワーで作られた服を着る女性。世界的な園芸の祭典「チェルシーフラワーショー」にて。
英ロンドン。2021年9月20日。ロイター=共同
○デザイン
赤崎正一 + 佐野裕哉 (協力=国府台さくら)
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編集後記
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新年号となる今号、多くの新連載が始まります。
表紙をめくって最初に目にしていただく「扉」では、各地の民話から輝きを採った鮮やかな油彩画を絵本作家の阿部海太さんが描きます。本文始まりのページに阿部さんのエッセイもありますので見落とされませんよう。
これまで折りに触れ、TPPなどのメガ貿易協定、民営化、戦略特区やスーパーシティなど、すぐれて現在的なテーマを本誌で継続的に報告してきた内田聖子さんが、社会への支配力を強めるGAFAなどビッグ・テックと市民社会のせめぎあいを報告します。
われわれの公有財産を、時の首相と政治心情を共有する「教育」団体に破格の値段で売り渡す。これだけでも大変な不祥事ですが、さらに悪事の露見を防ぐために公文書を改竄し、抵抗する公務員の心を折り、死に追いやった――この森友事件をめぐって、TBS報道特集で活躍するジャーナリストの金平茂紀さんの調査報道を掲載します。
コミュニティの加害の記憶を街路に埋め込む戦後ドイツの取組みのルポを中村真人さんに寄せてもらい、それと対照的な日本の歴史修正主義の様相を米山リサさんと板垣竜太さんの対談で共に考えたいと思います。どちらも上下連載です。
連載に限らず、二〇二二年も多様な話題を提供していきたいと思います。とりわけ、環境と生活の持続可能性が最重要のテーマです。今号ではそれぞれの象徴的なトピックを二つの特集として編みました。
最近、ショックを受けているのは、パンデミックのさなかにおいてすら、あまり二酸化炭素の排出量が減らなかったという事実です(今号、飯田哲也論文)。飛行機もとばず、クルマもヒトも街路から消えた時期がありました。そして友人たちとの飲み会ほか、あらゆる楽しみを自粛するほどの行動変容を経て、なお一割も減らなかった。COP26で掲げられた二〇五〇年ゼロという目標、それに向けた二〇三〇年に半減という到達がいかに困難か、気が遠くなる思いがします。アンモニアや炭素貯留などの寄り道、原発活用という邪道(今号、松久保論文)に迷い込んでいる余裕はないという思いを強くします。
今年はまた、沖縄「本土復帰」から五〇年という節目でもあります。今号「沖縄という窓」は前号休載となった親川志奈子さんの記事と松元剛さんの二本を掲載しました。戦後沖縄の苦難と抵抗の歴史を体現した有銘正夫さんの生き様と、「オール沖縄」の現在の課題と、どちらも思索と実践のためのテキストとして読んでほしい内容です。
昨年(二〇二一年)、本誌は販売面でも比較的順調に推移いたしました。心より感謝申し上げます。最後に、今号の読者談話室でもリクエストを頂戴しましたが、今年こそは本誌編集部として読者と交流していく場を設けたいところです。まずは、執筆者の方を招いてオンラインで開催することを予定しています。次号誌面などで告知していきますので、ご期待ください。
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定価1,980円
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岩波書店営業部読者係(TEL:03-5210-4111,FAX:03-3263-6999)
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