『世界』メールマガジン/2022年2月号 【特集1:クルマの社会的費用】【特集2:日本司法の "独自進化"】
2022/01/18 (Tue) 11:00
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■■ 『世界』メールマガジン/2022年2月号
■■ vol.#0080
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■『世界』2022年2月号(第953号)好評発売中
2022年1月8日発行
定価935円(税込)
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▼本号の目次
特集/注目記事/世界の潮/SEKAI Review of Books/連載/編集後記/『世界』から生まれた本/「WEB世界」のご案内
┏━━━┓
┃特集1┃クルマの社会的費用
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈課題としての自動車〉
脱クルマ依存へ──その文脈を追う
寺西俊一(一橋大学名誉教授)
〈クルマ社会を問い直す〉
緑の社会変革に向けて──『自動車の社会的費用』再読
除本理史(大阪市立大学)
〈正解とは?〉
Fun to Drive ?──トヨタと気候変動
ダニエル・リード(グリーンピース・ジャパン)
〈地図が塗り替わる〉
テスラ・ショック──モビリティ大変革と持続可能性
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所)
〈報告〉
電動化が引き起こす自動車産業の「解体」と「再構築」
鶴原吉郎(ジャーナリスト)
〈本当の持ち主へ〉
路上を子どもたちに返す
今井博之(小児科医)
┏━━━┓
┃特集2┃日本司法の "独自進化"
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈なぜ違憲判断が少ないのか〉
最高裁判所を「憲法の番人」として機能させるために
渋谷秀樹(立教大学名誉教授)
〈法科大学院の失敗〉
取り残される日本の司法
須網隆夫(早稲田大学)
〈グローバル化のなかの司法〉
日本の法曹養成制度は社会の変化に対応できているか
ディミトリ・ヴァンオーヴェルベーク(東京大学)
〈報告〉
法務・検察行政刷新会議で何があったか
後藤 昭(一橋大学名誉教授)
〈被疑者の権利保障〉
「取調べへの弁護人立会い」をなぜ認めないのか
川崎拓也(弁護士)
〈冤罪を生まないために〉
再審制度の改革はなぜ必要なのか
鴨志田祐美(弁護士)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈真実に蓋をする国家〉
認諾官僚たちに告ぐ。「ふざけるな」──「赤木ファイル」を読む(中)
金平茂紀(ジャーナリスト)
〈好評連載〉
デジタル・デモクラシー 【第2回】Amazon帝国を包囲する
内田聖子(PARC)
〈脳力のレッスン特別篇〉
「新しい資本主義」への視界を拓く(下の3)──「公正な分配と負担」とは何か
寺島実郎
〈手痛い教訓〉
コロナ禍による医療崩壊──医療・保健政策の課題
伊藤周平(鹿児島大学)
〈吹き始めた新たな風〉
メルケル後 ドイツの選択(下)──新政権の「進歩」と「責任」とは何か
梶村太一郎(ジャーナリスト)
〈新体制の課題〉
野党第一党に何が問われているのか
南 彰(朝日新聞)
〈対談〉
心の花は残りけるぞや──佐渡の世阿弥を語る
馬場あき子(歌人)、藤沢 周(小説家)
〈リベラリズムの陥穽を超えて〉
対談 共振する日米の歴史修正主義──ラムザイヤー論文という事件(下)
米山リサ(トロント大学)× 板垣竜太(同志社大学)
〈歴史の記憶を次世代につなぐ〉
頭とこころでつまずく──グンター・デムニッヒと仲間たちの「つまずきの石」(後編)
中村真人(フリーライター)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇世界の潮
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇「歴史決議」の狙い──党イデオローグと党人史家たちの共鳴
大澤武司
◇ドストエフスキー生誕二〇〇年のロシア──続く欧米との相克
佐藤親賢
◇京都・ウトロ地区放火事件──問われる「ヘイト犯罪」への対応
中村一成
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇SEKAI Review of Books
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇香港の悲劇─植民地構造と民主化への模索
阿古智子(東京大学)
◇メロドラマ的身体と欲望の法則
斉藤綾子(明治学院大学)
◇読書の要諦──ノンフィクション テレビが「現在」であることをやめるとき
青木 理(ジャーナリスト)
◇【連載】本とチェック 第5回 企画が動き出すとき
金承福(「クオン」代表)
◇新刊紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
----〈好評連載〉----------
●片山善博の「日本を診る」(147)
政権の賃上げ政策への違和感──大事な論点が忘れられていないか
片山善博(早稲田大学)
●分水嶺II コロナ緊急事態と専門家【第7回】
年末年始とオミクロン株
河合香織(ノンフィクション作家)
●亡所考【第14回】
災害伝承の内包するサバイバーズ・ギルト
北條勝貴(上智大学)
----------------------------
●メディア批評【第170回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●但馬日記【第33回】
「普通の町」幻想を超えて
平田オリザ(劇作家)
●いま、この惑星で起きていること【第26回】
温暖化と気の毒な生き物たち
森さやか(気象予報士)
●沖縄(シマ)という窓
「夫婦別姓制度」の導入を強く望む
山城紀子(フリーライター)
●お許しいただければ──金魚(A.A.ミルン)
訳=行方昭夫(英文学者)
●原発月報(21・11~12)
福島原発事故記録チーム
●ドキュメント激動の南北朝鮮(294)(21・11~12)
編集部
●民話採光
阿部海太(絵描き・絵本描き)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○読者投句・岩波俳句
選・文=池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○読者談話室
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○表紙写真
ドイツ・デュデルスハイム村で開かれたドライブインシネマの会場に並べられたミニカー。
2021年5月。ロイター=共同
○デザイン
赤崎正一 + 佐野裕哉 (協力=国府台さくら)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
二〇二二年を迎え、読者の皆様に心よりご挨拶申し上げます。
昨年、幸い本誌は多くの方に手にとっていただき、一昨年に続き二年連続で販売部数をのばすことができた。特に好評だったのは「イベント資本主義」(六月号)、「スマホとヒトと民主主義」(七月号)、「脱成長」(一〇月号)、「学知と政治」(一二月号)などで、特に一二月号は小社在庫も早々と僅少となった。
最近はまた、オンライン書店で販売からすぐ売切となることも増えた。ありがたいことではあるが、その際はお近くの町の書店で購入していただけたらと、一人の書店愛好者としても思う。
もちろん、各号で凸凹はあり、こちらが自信をもって送り出したものがあまりふるわない、ということもある。今月号は、日本に残された最後の製造業(というわけでもないと思うが)の行く末として注目が集まる自動車をめぐって、本誌ならではの視点で特集を編んだ。私の子どもたちも日々、クルマの行き交う通学路を学校へ急ぐ。これを早く過去の光景にするのが、今井博之氏の言うように、大人の責務ではないかと思う。また、行政に近すぎる日本司法の「独自進化」について総括的検証を試みた。お読みいただければ幸いだ。
取り上げるテーマへの編集する側の思いがあってこそ執筆者の方々も応じてくださり、熱気ある特集(その他すべての記事)は成り立つが、ときにそれが編集者の思い込みになっていると思われる折は、ぜひ率直にご批判いただければ、と思う。もちろん、ご感想やご意見、ご質問もいつでも大歓迎である。
石川県にお住まいの、長年の読者から昨夏頃、メッセージを頂いた。視力を失ってからはお連れ合いの方が本誌を読み上げておられるという。新しいテーマに果敢に挑戦していってほしい、だが同時に、これまで『世界』が取り上げてきたテーマ、憲法や日米安保、政治の革新などのことも取り上げていってほしい。今こそそれらを考えるべき時期ではないだろうか、と。
胸に深く刻みたい。そうした本質的テーマを本誌が取り上げなくなったときには、本誌はその社会的役割を終えることとなろう。今号書評欄にて青木理氏が紹介する阿武野勝彦氏の言葉もまた自らのこととして受け止めたい。
さて、本誌では、この歴史的な画期であるコロナ禍をめぐる読者投稿をよびかけている。3・11のとき以来となるが、今月末〆切としているので、本欄の三頁前(二九三頁)にて掲載しているご案内をご覧いただき、積極的にご投稿をいただければ幸いだ。
前号本欄で触れた読者交流会については、参加のご希望など反響を頂いているのだが、諸事情によりまだ準備が整わず、お詫びを申し上げるしかない。
依然としてコロナ禍が社会に覆いかぶさり、このところは薄曇りぐらいだったが、次の暗雲が視界に入っている。読者の方々のご健勝を心より祈ります。良い一年をつくってまいりましょう。
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~~『世界』から生まれた本~~
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◎分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議
河合香織
定価1,980円
http://iwnm.jp/061466
クラスター対策に3密回避。専門家たちの議論と葛藤を、政権や行政も含め関係者の証言で描くノンフィクション。
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~~「WEB世界」のご案内~~
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雑誌『世界』のWEB版もぜひ、ご覧ください
https://tanemaki.iwanami.co.jp/
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◇「webいわなみ たねをまく」(岩波書店のウェブマガジン)
https://tanemaki.iwanami.co.jp/
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登録情報の編集・解除は,こちらよりお願いいたします.
http://iwnm.jp/MM
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□『世界』メールマガジン
〒101-8002 東京都千代田区一ツ橋2-5-5
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WEB: http://iwnm.jp/sekai
Twitter: https://twitter.com/WEB_SEKAI
◇本誌のご注文はお近くの書店か小社営業部宛てにお願いいたします.
岩波書店営業部読者係(TEL:03-5210-4111,FAX:03-3263-6999)
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■『世界』2022年2月号(第953号)好評発売中
2022年1月8日発行
定価935円(税込)
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特集/注目記事/世界の潮/SEKAI Review of Books/連載/編集後記/『世界』から生まれた本/「WEB世界」のご案内
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┃特集1┃クルマの社会的費用
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈課題としての自動車〉
脱クルマ依存へ──その文脈を追う
寺西俊一(一橋大学名誉教授)
〈クルマ社会を問い直す〉
緑の社会変革に向けて──『自動車の社会的費用』再読
除本理史(大阪市立大学)
〈正解とは?〉
Fun to Drive ?──トヨタと気候変動
ダニエル・リード(グリーンピース・ジャパン)
〈地図が塗り替わる〉
テスラ・ショック──モビリティ大変革と持続可能性
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所)
〈報告〉
電動化が引き起こす自動車産業の「解体」と「再構築」
鶴原吉郎(ジャーナリスト)
〈本当の持ち主へ〉
路上を子どもたちに返す
今井博之(小児科医)
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┃特集2┃日本司法の "独自進化"
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈なぜ違憲判断が少ないのか〉
最高裁判所を「憲法の番人」として機能させるために
渋谷秀樹(立教大学名誉教授)
〈法科大学院の失敗〉
取り残される日本の司法
須網隆夫(早稲田大学)
〈グローバル化のなかの司法〉
日本の法曹養成制度は社会の変化に対応できているか
ディミトリ・ヴァンオーヴェルベーク(東京大学)
〈報告〉
法務・検察行政刷新会議で何があったか
後藤 昭(一橋大学名誉教授)
〈被疑者の権利保障〉
「取調べへの弁護人立会い」をなぜ認めないのか
川崎拓也(弁護士)
〈冤罪を生まないために〉
再審制度の改革はなぜ必要なのか
鴨志田祐美(弁護士)
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◆注目記事
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〈真実に蓋をする国家〉
認諾官僚たちに告ぐ。「ふざけるな」──「赤木ファイル」を読む(中)
金平茂紀(ジャーナリスト)
〈好評連載〉
デジタル・デモクラシー 【第2回】Amazon帝国を包囲する
内田聖子(PARC)
〈脳力のレッスン特別篇〉
「新しい資本主義」への視界を拓く(下の3)──「公正な分配と負担」とは何か
寺島実郎
〈手痛い教訓〉
コロナ禍による医療崩壊──医療・保健政策の課題
伊藤周平(鹿児島大学)
〈吹き始めた新たな風〉
メルケル後 ドイツの選択(下)──新政権の「進歩」と「責任」とは何か
梶村太一郎(ジャーナリスト)
〈新体制の課題〉
野党第一党に何が問われているのか
南 彰(朝日新聞)
〈対談〉
心の花は残りけるぞや──佐渡の世阿弥を語る
馬場あき子(歌人)、藤沢 周(小説家)
〈リベラリズムの陥穽を超えて〉
対談 共振する日米の歴史修正主義──ラムザイヤー論文という事件(下)
米山リサ(トロント大学)× 板垣竜太(同志社大学)
〈歴史の記憶を次世代につなぐ〉
頭とこころでつまずく──グンター・デムニッヒと仲間たちの「つまずきの石」(後編)
中村真人(フリーライター)
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◇世界の潮
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◇「歴史決議」の狙い──党イデオローグと党人史家たちの共鳴
大澤武司
◇ドストエフスキー生誕二〇〇年のロシア──続く欧米との相克
佐藤親賢
◇京都・ウトロ地区放火事件──問われる「ヘイト犯罪」への対応
中村一成
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◇SEKAI Review of Books
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◇香港の悲劇─植民地構造と民主化への模索
阿古智子(東京大学)
◇メロドラマ的身体と欲望の法則
斉藤綾子(明治学院大学)
◇読書の要諦──ノンフィクション テレビが「現在」であることをやめるとき
青木 理(ジャーナリスト)
◇【連載】本とチェック 第5回 企画が動き出すとき
金承福(「クオン」代表)
◇新刊紹介
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●連載
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----〈好評連載〉----------
●片山善博の「日本を診る」(147)
政権の賃上げ政策への違和感──大事な論点が忘れられていないか
片山善博(早稲田大学)
●分水嶺II コロナ緊急事態と専門家【第7回】
年末年始とオミクロン株
河合香織(ノンフィクション作家)
●亡所考【第14回】
災害伝承の内包するサバイバーズ・ギルト
北條勝貴(上智大学)
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●メディア批評【第170回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●但馬日記【第33回】
「普通の町」幻想を超えて
平田オリザ(劇作家)
●いま、この惑星で起きていること【第26回】
温暖化と気の毒な生き物たち
森さやか(気象予報士)
●沖縄(シマ)という窓
「夫婦別姓制度」の導入を強く望む
山城紀子(フリーライター)
●お許しいただければ──金魚(A.A.ミルン)
訳=行方昭夫(英文学者)
●原発月報(21・11~12)
福島原発事故記録チーム
●ドキュメント激動の南北朝鮮(294)(21・11~12)
編集部
●民話採光
阿部海太(絵描き・絵本描き)
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○読者投句・岩波俳句
選・文=池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○読者談話室
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○表紙写真
ドイツ・デュデルスハイム村で開かれたドライブインシネマの会場に並べられたミニカー。
2021年5月。ロイター=共同
○デザイン
赤崎正一 + 佐野裕哉 (協力=国府台さくら)
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編集後記
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二〇二二年を迎え、読者の皆様に心よりご挨拶申し上げます。
昨年、幸い本誌は多くの方に手にとっていただき、一昨年に続き二年連続で販売部数をのばすことができた。特に好評だったのは「イベント資本主義」(六月号)、「スマホとヒトと民主主義」(七月号)、「脱成長」(一〇月号)、「学知と政治」(一二月号)などで、特に一二月号は小社在庫も早々と僅少となった。
最近はまた、オンライン書店で販売からすぐ売切となることも増えた。ありがたいことではあるが、その際はお近くの町の書店で購入していただけたらと、一人の書店愛好者としても思う。
もちろん、各号で凸凹はあり、こちらが自信をもって送り出したものがあまりふるわない、ということもある。今月号は、日本に残された最後の製造業(というわけでもないと思うが)の行く末として注目が集まる自動車をめぐって、本誌ならではの視点で特集を編んだ。私の子どもたちも日々、クルマの行き交う通学路を学校へ急ぐ。これを早く過去の光景にするのが、今井博之氏の言うように、大人の責務ではないかと思う。また、行政に近すぎる日本司法の「独自進化」について総括的検証を試みた。お読みいただければ幸いだ。
取り上げるテーマへの編集する側の思いがあってこそ執筆者の方々も応じてくださり、熱気ある特集(その他すべての記事)は成り立つが、ときにそれが編集者の思い込みになっていると思われる折は、ぜひ率直にご批判いただければ、と思う。もちろん、ご感想やご意見、ご質問もいつでも大歓迎である。
石川県にお住まいの、長年の読者から昨夏頃、メッセージを頂いた。視力を失ってからはお連れ合いの方が本誌を読み上げておられるという。新しいテーマに果敢に挑戦していってほしい、だが同時に、これまで『世界』が取り上げてきたテーマ、憲法や日米安保、政治の革新などのことも取り上げていってほしい。今こそそれらを考えるべき時期ではないだろうか、と。
胸に深く刻みたい。そうした本質的テーマを本誌が取り上げなくなったときには、本誌はその社会的役割を終えることとなろう。今号書評欄にて青木理氏が紹介する阿武野勝彦氏の言葉もまた自らのこととして受け止めたい。
さて、本誌では、この歴史的な画期であるコロナ禍をめぐる読者投稿をよびかけている。3・11のとき以来となるが、今月末〆切としているので、本欄の三頁前(二九三頁)にて掲載しているご案内をご覧いただき、積極的にご投稿をいただければ幸いだ。
前号本欄で触れた読者交流会については、参加のご希望など反響を頂いているのだが、諸事情によりまだ準備が整わず、お詫びを申し上げるしかない。
依然としてコロナ禍が社会に覆いかぶさり、このところは薄曇りぐらいだったが、次の暗雲が視界に入っている。読者の方々のご健勝を心より祈ります。良い一年をつくってまいりましょう。
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~~『世界』から生まれた本~~
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◎分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議
河合香織
定価1,980円
http://iwnm.jp/061466
クラスター対策に3密回避。専門家たちの議論と葛藤を、政権や行政も含め関係者の証言で描くノンフィクション。
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〒101-8002 東京都千代田区一ツ橋2-5-5
E-Mail: sekai@iwanami.co.jp
WEB: http://iwnm.jp/sekai
Twitter: https://twitter.com/WEB_SEKAI
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岩波書店営業部読者係(TEL:03-5210-4111,FAX:03-3263-6999)
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